過去ログ - 戦艦水鬼「光溢れる水面に、わたしも」
1- 20
9:名無しNIPPER[saga]
2015/03/24(火) 13:52:01.18 ID:qsbs6+9v0

 艤装が再度唸りを上げた。うらやましい。この羨望の感情をいかにして晴らしてくれよう。砲弾を撃ち、拳を振り上げ、もう一度もの言わぬ鉄屑へと戻すことによってしか為しえない。

 もう一度? そこで彼女は確かに自分の思考へ疑問を通わせた。

 一瞬の間。そしてそれが命取りであることを、気づいたときにはもう遅い。

 日は水平線に落ちきった。――夜の到来。
 探照灯が、照明弾が、夜偵が、縦横無尽に闊歩している。

 がちゃり、がちゃり、がちゃり。恐ろしげな艤装の稼動音。
 夜の口火を切ったのは、そして終わらせんとするのは、旗艦でもある茶髪の雷巡。その射線数は正気の沙汰ではない。

 まったく、仕方がないな。
 それは空耳だったのだろう。空耳に違いない。

 ただ、戦艦棲姫が彼女の眼前に立っていることだけは、決して間違いではなくて。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
20Res/15.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice