23: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/03/26(木) 01:06:42.78 ID:avES/eip0
「おら、どうしたキュアフニャフニャ! 避けるだけじゃ俺は倒せねぇぞ!」
炎の弾をかわし続ける杏。ひたすら避けるだけの作業になっているためか、杏のモチベーションはどんどん下がってきていた。
なんかもう面倒くさい……そんな言葉が杏の口から漏れる。
一撃喰らって死んだふりでもしようかな、と杏の思考がその結論に至る直前、プロデューサーの声が聞こえた。
「杏さん! 今ここでやつらを倒さないと、しょっちゅう闘いに呼び出されますよ!!」
その言葉の威力は絶大だった。鈍っていた杏の思考の歯車にオイルとして流れ込む。
(しょっちゅう、闘いに呼び出される……?)
そこから杏の思考は加速した。
仕事の時休みの時寝ている時、彼らが出現したら出動しなくてはならない。つまり、杏の願いとはまるで正反対。休みたくても、休めない。
杏は逃げるのを止める。
「ついに観念したか!」
コーメンテタは、特大の炎の弾を杏に撃った。
杏は、それを片手で弾く。
「な、なにっ!!」
「今後働かなくて済むように……杏、ちょっと本気出しちゃおっかなー!」
杏は、素早く動き始める。
弾かれたことに驚愕するコーメンテタだが、すぐに敵が動き出したことに反応して反撃を開始した。
「その炎の弾の連続使用回数は、10発!」
攻撃を避けながら杏は接近する。
「超高温に発熱した手のひらが、空気中のチリに発火することで炎の弾を作り出している。そして、10発撃つと、発火に至るだけのチリが周りからなくなる」
杏は、グラススリッパを避けながら取り出した。
「周りにチリが満ちるまでの、インターバルは約3秒」
『グラススリッパァ!! シンデレラ武装!』
手榴弾のようなものが、杏の手に落ちる。
ピンを抜き、時間をはかる。おおよその手榴弾は約4秒ほどで爆発するのだ。
プリキュアとなった彼女が投げれば、敵まで約0.05秒で到達する。最後の一撃を避け終わった杏は、時間を測って敵に向かって手榴弾を投げた。
杏がピンを抜いたのは、最後の攻撃が終わる2秒前。つまり、敵に手榴弾が到達する時、まだ彼には1秒のインターバルが存在する。
「シンデレラ手榴弾!」
正確に計算したため、杏の投げた手榴弾は、敵の目の前で爆発した。
「ぐっ、この程度で、俺がやられると思ったか!」
爆風の中から、敵が現れる。
だが、同時に彼の目の前に杏が現れた。
「それはフェイクだよ」
『ファイナル シンデレライドゥ』
待機音を鳴らすシンデレラ香炉を構える杏。コーメンテタは、慌てて炎の弾を作り出そうとした。が、それは叶わない。ただ、手が高温になるだけだ。
インターバルの3秒はもう終わっているはずなのに。
「チリは、今の手榴弾の爆風で弾き飛ばしたからないよ」
「……完敗だ」
『フフフフニャフニャ!』
放たれたビーム。菜々とは違い、オレンジ色をしていた。だが、威力は遜色ないようで、敵を木っ端微塵に吹き飛ばす。
空中のため、杏自身も反動を抑えることが出来ずに吹き飛ぶ。
だが、杏は上手にビルの壁に着地して、体勢を整える。
そんな杏の瞳に、ひたすら逃げまとう幸子の姿が見えた。
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