6: ◆2YxvakPABs[sage saga]
2015/03/26(木) 00:50:09.66 ID:avES/eip0
「あの、プロッ……」
「わわわ、ちょっ、マズいですって!!」
菜々が、プロデューサーに真意を訪ねようとした時、誰かの悲鳴に似た叫び声とともに、勢いよく扉が開け放たれた。
ビクリとする菜々。プロデューサーは、特に驚いた様子もなくその光景を見ていた。
部屋の入り口では、2人の少女が重なり合うように倒れている。
「あー、見つかっちゃいましたか……やっぱりカワイイボクを隠しておけるだけの力がこの扉にはなかったってことですね!」
「そんなことより重い……もういいや、ここで寝ちゃおう……」
「わわっ! ごめんなさい!」
慌てて重なっていた上の少女が起き上がる。
「幸子ちゃん、杏ちゃんっ!」
菜々は突如この空間に現れた2人の名前を呼んだ。
輿水幸子と双葉杏。俗に言う「発言が実力に見合わない系アイドル」と「働かない系アイドル」だ。
「ど、どこから聞いてたんですか?」
菜々は恐る恐る聞いた。扉から現れたということは、少なくともさっきの会話を聞いていただろうし、最悪プロデューサーの正体も見られている。
「全然っ! ほーんのついさっきからですよ……えーっと、プロデューサーが、『菜々さん……あとで事務室に来ていただけますか……?』って言った辺りですかね」
「冒 頭 よ り も 前 ! !」
菜々が呼び出された瞬間から見られていた。
要は、ずっと見ていたわけだ。一部始終を。
「私は止めたんだよー。でも、幸子ちゃんがどうしても気になるって」
杏は今だに床に寝っ転がりながらのんびりしている。むしろ、あのうさぎの人形を枕に今にも寝てしまいそうだ。
あの光景を見て、この状況でよく寝ようと思えるものだと、菜々は半分感心していた。彼女のメンタルが強すぎる。
「杏ちゃん、床は汚いからとりあえず起きましょう」
「……ぐぬ。まるで歳上のお姉さんだな」
「そりゃ、あなたよりは上……ぇじゃなく同い年ですからね!! えぇ! 同い年の子が床で寝てたら起こしますよ!!! 女の子として!!」
テンパりながら答える菜々。
そう。あくまで、杏と菜々は同い年である。
「……仕方ありません。この2人にもプリキュアになっていただきましょう」
「決め方雑っ!!!!」
プロデューサーの決断に菜々は驚きの声を上げた。
本当に、自分はクジか何かで、たまたま当たっただけなのではないかという疑問がより一層深まった。
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