過去ログ - 【Lv30】ぱらルカさんが くえルカさんになったようです前章【職業Lv10】
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56: ◆ldFfAbiRv2[saga]
2015/03/30(月) 22:52:55.06 ID:AHL7EkK60
ルカ「やっぱり・・・」

「ザザーランド」は向こうの世界と同じ感じであった。
その料金はというと――――

ルカ「えっと・・・お一人様一泊240万ゴールドぉ?!」

自分の知るサザーランドの24倍。向こうの世界の資金全て持ってきてもまだ足りない。
もし僕が洗礼を受けていたなら、勇者料金でタダ同然だったというのに・・・・・・

ルカ「アリス、ここは住む世界が違いすぎる。2人だと、9秒しか居られない計算になっちゃうよ」

アリス「並行世界から貴様の財産を持って来ればいい!」
アリス「そこまでの技術を持つくらい鍛錬したのなら、それくらいあるはずだろう」

ルカ「持ってこれたら苦労はしないよ。それに・・・それでも2人だと6時間しか居られないよ」

アリス「なんと・・・こんなことならグランベリアに制圧させた方が良かったな」

ルカ「おいおい・・・・・・」

アリスがろくでもない事を呟いた時だった。

おかみ「馬鹿をお言い!」
おかみ「揃いも揃って魔物にやられた分際で、何が勇者だい!」

威勢のいいおかみの啖呵が、外の通りまで響く。
おかみの前に居た戦士が何か理由を言うが――――

おかみ「あんたみたいなヘボ勇者が勇者と名乗っちゃ、本物の勇者が迷惑だよ!出ておいき!」

おかみの怒声に圧倒され、戦士は脱兎の様に逃げ去ってしまった。
こうして戦士を追い出したおかみは、ふと僕たちに目を留める。
すると―――その不機嫌そうな顔が、たちまち和らいでいった。

おかみ「あら、あんた。この町の恩人じゃないか。せっかくだから、ウチに泊まっていきなよ」
おかみ「それにその酷い怪我、しっかり休まないと大変なことになるよ」

ルカ「いえ、でも・・・・・・お金が・・・・・・」

おかみ「そんなの、勇者料金でいいよ。お二人様で4ゴールドね」
おかみ「残り479万9996ゴールドは、イリアス様につけとくよ」

ルカ「ど、どうも・・・。でも僕は洗礼を受けた勇者じゃないんですけど・・・・・・」

おかみ「洗礼なんて関係ないよ」
おかみ「勇者の資格は洗礼のあるなしじゃない、その振る舞いさ」
おかみ「たった1人で魔物に挑んで、追い払ったのが勇者じゃなければ何なんだい?」

ルカ「お、おかみさん・・・!」
勇者はその振る舞いで決まる―――
グランベリアの剣戟以上に僕は揺さぶられた。

おかみ「そういうわけで・・・・・ほらほら、どうぞどうぞ!」

アリス「ふむ、貴様は見どころのある人間だな。ほらルカ、いつまでのけぞっている―――」

ルカ「ゴメン・・・限界みたい」

一時的に忘れ去っていた激痛が戻って来て、僕は再び足元から崩れ落ちる。

アリス「仕方ない・・・引き摺って行くか」

ルカ「出来れば優しくお願いします・・・」

こうして僕たちは、おかみの好意により高級店「サザーランド」に一泊することになったのだった。


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