過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
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74:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 18:10:43.82 ID:JxUSEnW0o
「今日の夕方に言われた時……私のせいだ、どうしようって、すごい怖くなっちゃった。急いでねーちゃんに電話したら、今すぐ行くから待っててって……今頃ねーちゃん、こっちに向かってると思う……」

「え……!?」


「でもねーちゃんがめぐみねーちゃんに電話してみたら、色々言われちゃって、取り返しの付かないことになっちゃったみたいで……めぐみのそばについててあげて! って言われた。それ聞いて私、絶対めぐみねーちゃんを捕まえなきゃって思ったの」


「向日葵に髪切ってもらって、ねーちゃんが昔使ってた香水とか振ってみて、高校の頃のねーちゃんの服も借りて……この傘も、ねーちゃんがうちに置いてったやつ。声もあんまり出さないようにして……私ねーちゃんの声真似上手いでしょ?」


「だって絶対、めぐみねーちゃんは撫子ねーちゃんが好きって、私にはわかってたもん……! それを閉じ込めて終わりにされたら、私はねーちゃんのお願いを果たせなくなっちゃう……」


「だから、想いを全部さらけ出してもらうために、ねーちゃんにここに呼び出してもらう留守電入れてもらって、こんなことしたの……」


宵闇の中、雨に濡れてしっとりと張り付いた髪になっても、まだ櫻子は撫子と見間違うほどの外見であった。


髪を切る前の櫻子との思い出を振り返る。あんなに一生懸命に自分をかまってくれていたのは、撫子にお願いされていたからだったのか。

一生のお願いを深く受け止めて髪を切ってしまうまでに、私のことを考えてくれていたのか。



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