過去ログ - 唯「10年後の桜高卒業式」
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13: ◆DFyQ72NN8s[saga]
2015/03/31(火) 06:33:15.04 ID:zAK3ZPJb0
 そんなことをふと思った「U&I」の後、「次で最後の曲です」と言った唯は、
わたしたちの「えー!」が静まるのを待った後、こう切り出した。

「私ね、この高校を卒業した時、今のみんなと同じように、
寂しかったり悲しかったり、すごく未来が怖くなったり……いろいろ思ってたの」
「大学に入っても、みんなとお茶して、音楽続けていけるかな。大人になっても、ずっと続けられるかなって」

 唯の言葉に、わたしたちはじっと息を飲むように、耳を傾け、次の言葉を待つように視線を注いだ。
他の4人のメンバーは、見守るように優しく、急かすことがないようにやわらかく、唯を見守っている。
 そしてそれはゆっくりと、だけど鮮明に続いていく。

 まるであの時の、「大好きを、ありがとう」みたいに。

「だけどね、みんなで同じ大学に入って、またたくさんの人と出会って、そのうち梓……あずにゃんも、
ここを卒業して私達のところにまた来てくれて。たくさんお茶して、演奏して、もっとたくさんの人達と出会って、

デビューして、全国のいろんな場所に行って、お茶して、演奏して、もっともっとたくさんの人達と出会うことができて。
高校生の時から数えて10年以上、5人で音楽をやって来れて、今、ほんとにうれしくて、うれしくてたまらないの」

「みんな、ほんとに、ほんとにありがとう」

 唯の言葉に、静かな拍手が送られる。
 メンバーもそれぞれ、お辞儀をして、それまでの代弁者である
唯と同じように、前を−−わたしたちを見つめていた。

「だから、みんなが、もし悲しかったり、未来が不安だったりする時は、私達の音楽、聴いてほしいんだ」
「大したことは出来ないかもしれない、何も力になれないかもしれない」
「だけど、今ここにいるあなたが、あなたのままでこれからも
生きていけるように。私達は、私達の音楽を演奏し続けるから」
「あなたがあなたを楽しく生きられるように、私達は、これからも歌い続ける」

「今日は、ほんとに卒業、おめでとう」


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