4: ◆DFyQ72NN8s[saga]
2015/03/31(火) 06:07:58.89 ID:zAK3ZPJb0
昔から何が得意なわけでも、何が苦手なわけでもなく、誰かを虐めたり、誰かに虐められたり、
誰かへ心から恋して好きになることもあんまりないまま、今日ここまで来た気がする。
そのくせ一人を楽しむことを覚えるのは早かったから、小学校の頃から図書館で一日中小説や漫画を
読みふけったり、ネットで見知った面白い映画やアニメを観たりしていた。
同級生が液晶の上で親指を滑らせて文字を打つスピードと同じくらい、わたしは一人へのめり込んでいった。
そんな私が彼女たちの音楽に出会ったのは中学3年の、夏休みのことだった。
たまたま観たある映画(仲の良い姉妹が、数々の苦難を乗り越えて本当の愛に辿り着くお話、だったと思う)の
EDテーマに、私は生まれて初めて、頭に雷が落ちたように射抜かれてしまったのだ。
その歌は、英語なのか、日本語なのかわからないくらい詰め込まれた歌詞が賑やかな演奏と共に進んでいくと、
最後には転調して全ての歌詞とメロディが嵐のように過ぎ−−
突然。
はっきり鮮明と寄り添うような言葉が聞こえてくるのだ。
「大好きを、ありがとう」と。
それは涙を誘うバラードでも、慟哭を叩きつけるようなロックンロールでもなくて。
ただ、心からのしあわせと感謝を、はっきりと笑顔で歌いあげるポップミュージックで。
幸せすぎて、嬉しすぎて、涙が溢れる。本当のポップミュージックだった。
わたしは、全てのエンドロールが終わった後、立ち上がれないくらいの嗚咽で泣いた。
今まで観たどんな映画やアニメより、それまで読んだどんな小説や漫画より、その音楽に−−
これからの私が少し変わるんだという確信と、彼女たち−−放課後ティータイムに出会えたことに、わたしは泣いた。
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