過去ログ - 雪風「ただいま」
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4:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 17:25:58.22 ID:5f1jLFQY0



「……ごめんね……君を最後まで……守りきることが……」


「……」


それ以上言わないでほしい。
天の災害に耐えきれなかったのは私のせいだ。
貴方は何も悪くはない。気にする必要はない。
……いつの間にか失っていた私の恋心を動かしてくれたのも、貴方のおかげだ。
言葉の分からない私が、ここの仲間と打ち解けられたのも貴方のおかげ。
だから、気にすることはない。
私は、失っていたものを取り戻す感覚を味わうことができたのだから。


「……そうだ。君に渡したいものがあるんだ」


「……?」


そう言って彼はポケットから青い箱を取り出す。
箱の中には、煌めく指輪。


「君の故郷では任務とはいえ、これを受け取ることが、最大の称賛なんだろ?」


「……」


「……だから、受け取ってくれ」


何言ってるの?
馬鹿。
馬鹿馬鹿馬鹿。
馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿。


そんなもの受け取る訳にはいかない。
私は既に大破した老朽の駆逐艦。
その指輪は、これから逝くべき私に渡すものではない。


「……うぁっ……」


私は声なき声を出す。
同時に目頭から溢れ出るものを感じる。
何故だろう。
故郷を離れてから、私の眼には潤いが湧きでることはなかった。
でも、それでも。
溢れ来るものは止まらなかった。





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