103: ◆5JdYsMOLwU[saga]
2015/04/30(木) 21:35:46.61 ID:f75rJ5cq0
「ううう…京兆、京兆。いいか、良いかよく聞け。もうすぐ荷物が届く…エジプトからのな…」
ベッドの上の塊は呻くかのように声を出す
声は発声できるが聞き取るのも困難になってきてしまった
104: ◆5JdYsMOLwU[saga]
2015/04/30(木) 22:12:54.67 ID:f75rJ5cq0
同じだ。あの日のあの時と同じ感覚がする
おふくろが病気で倒れてそのまま死んだあの日と同じ感覚
悪い予感を拭い去るかのように走るもその先の光景に俺は絶望を抱いた
「おい億泰!何があった!?」
105:名無しNIPPER[sage]
2015/04/30(木) 23:26:53.42 ID:Cwp+xT/Do
昔の兄貴は弟思いだったんやな……いやそれは最後まで一緒か……
106: ◆5JdYsMOLwU[saga]
2015/05/01(金) 20:50:18.71 ID:f4FRlMG60
「その必要は無いぞ京兆ォ〜…お前らは導かれる。億泰は生きてるからなぁ…!」
息子が矢に射ぬかれているというのにダラダラと歩いてきた親父の戯れ言なんぞに構う時間はない。このままじゃあ出血多量で億泰が死ぬ可能性があるからだ
ズルズルと親父は億泰に近付くと矢に手をかけた
107: ◆5JdYsMOLwU[saga]
2015/05/01(金) 21:04:21.59 ID:f4FRlMG60
「……してやる…!」
その時確かに俺は感じた。忘れもしないあの感覚…
どす黒い決して誉められることのない、だが咎められもしない美しさを感じさせる漆黒の意思を俺は芽生えさせた
108: ◆5JdYsMOLwU[saga]
2015/05/01(金) 21:16:21.55 ID:f4FRlMG60
どれだけ攻撃をし続けたのかは覚えちゃあいない。どれだけ痛め付けたのかもわからない
我に返ったのは泣きながら俺を億泰が止めていたからだ
「もう止めて兄ちゃん!俺の傷は大丈夫だから!父さんが死んじゃうよ!」
109:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/01(金) 21:40:48.54 ID:mq2MxnRE0
そういや億泰のザ・ハンドもブリキのロボットみたいな外見だったな・・・
110: ◆5JdYsMOLwU[saga]
2015/05/01(金) 22:09:34.16 ID:f4FRlMG60
それから俺は親父からこの矢が何かということも、俺が見えているものも、DIOというのは何者かも知っていることは全て聞き出した
信じるしかなかった…目の前に起きていることは頭がどれだけ否定しようとも事実に変わりはないのだから
俺は矢を信じた。いつか親父を殺せるスタンドに俺達を導いてくれるに違いないと
才能があるかないかなんて開ける前のプレゼントのようにわかるわけがなかった。無闇やたらに俺は色んな奴を打ち抜いていった
111: ◆5JdYsMOLwU[saga]
2015/05/01(金) 22:27:03.82 ID:f4FRlMG60
結局俺の怒りは俺の行くべき正しい道は示してはくれなかったさ…ただ正しいと思い込んでいただけの道だったんだ…
そう感傷に浸っていた時だった。後ろから懐かしい声が俺の名を呼んだ
「兄貴…?そこにいるのか兄貴…?」
112: ◆5JdYsMOLwU[saga]
2015/05/01(金) 22:30:13.84 ID:f4FRlMG60
【怒りの先は示されない】完結です!
最後まで読んでくださった方には感謝です!
次は>>61さんのリクエストを書かせていただきます!よろしくお願い申し上げます
113:名無しNIPPER[sage]
2015/05/01(金) 23:50:41.65 ID:B7Bn7sG/O
乙
京兆は最後に正しい白の中に戻れたと思いたい
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