過去ログ - 勇者「腹部に短剣が刺さり、そのまま絶頂した」【R-18】
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◆FLVUV.9phY
[saga]
2015/04/04(土) 08:29:49.87 ID:sFCa58X9o
間を置かずに魔女は唱える。
四肢の断裂というのは強烈であり壊滅的なほどで、ともすればそれだけで精神が壊れるような激痛だ。
それを続けざまに二度も繰り返されれば、いくら勇者の精神と言えども一時的にであれ均衡を失う。
もっとも、勇者にとってその痛みは本来ならば耐えられない、というほどのものではない。
魔物との戦いの中で幾度となく負った傷の中には、四肢の欠損よりも刺激的で暴力的なものさえあるのだから。
ただしそれは、あくまでも戦いの中という生死の極限状態での話だ。
死ぬことを常に意識して臨むそれには一応の心構えが出来ていたし、抵抗することも出来た。
だが、勇者に魔女は殺せない。
死にたくなければ殺せばいい。
そんな単純な思考回路と心構えを作ることすら出来ない状況は彼にとって初めての出来事であり、
それはつまり精神的な耐性がまるでない、ということでもある。
目に映るのも、ここにいるのも、自分を壊すのも、延命措置をするのも、全ては魔女である。
勇者の生殺与奪権は全てが魔女に委ねられていて、つまりは勇者は魔女に支配されているも同然だった。
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