過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆R/5y8AboOk
[sage saga]
2015/08/14(金) 03:52:53.57 ID:+FUAmXwk0
「…やってくれるッ!」
部下四人へも同様に攻撃を放ったカースドヒューマンが、者共の怯んだ一瞬を付いて戦闘機動の仕切り直しを図る。一瞬弾幕の途切れた内に翼の補強を生成し、あわや墜落かというすんでで翼を撃ったカースドヒューマンを狙い、応射の火線を張ったのは隊長が一番早かった。
カースドヒューマンは殺到する弾丸を潜り抜け、彼を中心に見据えて側面へ回り込もうと飛行する。またあの釘が飛んでくるかと覚悟したが、次の瞬間、その体から放たれたのはもっと大質量の黒い砲弾とでも呼ぶべき代物だった。
不意に人間大の歪な黒塊が放出されたかと思えば、次の瞬間大きな膜となって展開し、そのひろがった面積で向こうの景色を隠しながら襲いかかってくる。ぎょっとサブマシンガンをばら撒いて飛ぶ膜をぐずぐずに崩壊させるのは一瞬の出来事であったが、その膜が目隠しとなった致命的な一瞬、高速で回り込んできたカースドヒューマンへの対応を遅らせる事となった。
「姑息なマネを…っ!!」
視覚よりも実直に敵を捉え続けるセンサーの反応が左後方を示せば、つられて振り向く首に追従した左手が、押っ取り刀で抜き出したナイフを渾身に振り抜く。振り向いた視線の先で敵の顔と真っ向に向かい合ったのは刹那の事。直後、漆黒の手刀と鈍色の短刀のぶつかり合う火花が炸裂し、不快な音を鳴らして二刀が交錯した。
ただの人間である彼が、異能力者であるカースドヒューマンとの力比べに応じることができたのは、踏ん張りの利く地面とそうでない空中の差が味方した結果に過ぎない。衝撃で上体を弾かれた隊長を後目、回り込む間に首から下の鎧を脱ぎ去り───先の飛び道具の素材に使ったのか───やたらジッパーの目立つ服をさらけ出したカースドヒューマンが、共に露わになった人工的に青い髪を尾と引きながら翻る。
上半身を踏ん張らせて敵を睨み、至近距離の二撃目を放たんと腕に力を込めると、不意、攻撃を放つという速度でもなく、届く距離ですらない場所に、カースドヒューマンの細腕が真っ直ぐに伸ばされた。
拍子抜けするような思いが突き抜けるも束の間、次の瞬間に襲いかかったおぞましい殺気は、無意識の早さでそれを否と切り捨てる。ほぼ至近距離で睨み合うカースドヒューマンの瞳は、こちらを直接見据えると言うよりは、どこか透かしているようにも思え────。
「…後ろかッ!?」
ぞっと背中に冷たい錯覚が通ったのは、恐らく勘が生み出した幻想すぎなかった。が、がむしゃらに体を横に反らすと、先程までそれがあった地点を真っ黒い槍が駆け抜ければ、根拠のない物の存在も信じなくなるようだ。
己の影から飛び出したと思しき黒の槍は、突き出されたカースドヒューマンの白指にまとわりつくと形を変えて鎧になっていくと見えた。そのまま空中で半回転したカースドヒューマンが、その腕までを黒の装甲で覆いながら着地の姿勢をとった、その瞬間、
「───ナメるなあぁッ!!」
全身の筋肉で強引に姿勢を整えた隊長の太い足が唸り、炸裂した後ろ回し蹴りが着地直後の土手っ腹を打ち抜き、鈍い音を漏らさせて、少女一人分ほどの体重しかないバケモノを数メートル向こうへとぶっ飛ばした。
地面をもんどり打って転がっていった敵の体が、そびえ立つ野望の鎧の影に差し掛かった辺りで止まり、同時に射線を確保したセーフチームの銃口が無慈悲に殺意を突き立てる。
「射撃ィー!!」
突き上がった怒声と共に力んだ人差し指が、トリガーをぐっと引き絞らせる。即座に応じる機構はマガジンに残った弾を吐き出さんと吠え、焚かれるマズルフラッシュの閃光が視界の半ばを眩く染めると────。
「あ゛っハハハハハハハハハハハハハハハはははははははははははっ!!!』
────それよりも目立つただひたすらの漆黒がせり上がり、向こうの景色を無遠慮に塗り潰して────。
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