過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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64: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:19:33.98 ID:NGKYIe+ko

「スニェーク……」

 色の奪われた外界はよく見れば、空からゆっくりと小さな雪粒を断続的に降らせている。
 あまりにもささやかな白色はアーニャでさえも窓に近づいて目を凝らさなければ見えなかった。

「夢というのはだな」

 急に背後から聞こえてくる声。
 アーニャはその声に反応して、慌てて振り向く。

 その姿は、ツインテールに白衣、そしてピンクの角縁眼鏡。
 池袋晶葉は音もなく、あまりにも自然にこの部屋の真ん中に現れた。

 電気も付いていないこの部屋内は、外の曇り空も相まってあまりにも薄暗い。
 アーニャの立ち位置だと、眼鏡が光を反射し晶葉の視線がわからない。

「レム睡眠、体が眠っているのにもかかわらず脳が活動をしているという状態であるときに出現すると言われる現象なのだ」

 行儀悪く机の上に座りながら、晶葉はアーニャの驚愕を気にしない様子で一方的にしゃべりだす。
 その口調はいつものような自信に満ち溢れたものではなく、単調で淡々としたものであった。

「大脳皮質や近縁系の活動が覚醒状態に近い水準であるときに、脳の過去映像から記憶の像が再生されつつ、その映像に合致するストーリーを自ら構築していくと言われている」

 あまりにも普選なこの状況だが、アーニャは黙って晶葉の話を聞く。
 そう、この晶葉の言葉は聞き覚えのあるものであった。



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