過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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699: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:21:08.86 ID:OdbudYhc0

 カエン索敵視界には、寄せ木細工めいて入り組んだ透明感のある赤と黄、そして黒ずんだ濃い桃色が映し出されていた。即ちヒーローと、色欲のカースドヒューマン。
 次の瞬間、ヒーロー色が桃色に覆われて見えなくなり、洋子は己の判断が間違っていなかったことを知った。
 カエン視界を朱色のジャベリンが無数に飛び去っていく。洋子自身もヒーロー脚力をフルに発揮し、投槍の群れを追って色の元へと向かった。

《ボウズ、そろそろ出しちまいたいンだけどよ》

「アー……ハイ、スンマセン、オッケーです」

 スーツ内蔵の通信機から聞こえたダミ声に、黒衣Pはやむなく了承した。あまり長居をすると、ルナールとの間で厄介事が起こりかねない。
 然り。この大噴水広場はルナール西支社ビルの敷地内であり、ルナール自社戦力の介入前に決着をつけられたのは実際幸運であったのだ。

「……流石に迷子にはなるまいが」

 フォウフォウフォウフォウ……。キネシス能力による飛行は、エンジン音も不快な振動も生じない。黒衣Pはキャビン床に伏せったまま動けなかった。
 洋子がいれば、多少は美世の気を逸らせただろうか? 背中に刺すような視線を感じながら、黒衣Pは相棒を無理にでも引き留めなかったことを後悔した。

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