過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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75: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:27:20.62 ID:NGKYIe+ko

 目の前のアーニャが口元を小さく上げながら言う。
 だがその瞳はどこを見ているのかも不確かで、透き通る瞳は虚空を映している。

「なんで殺したのですか?」

 今度は糾弾するような言葉。
 しかしやはり、今度も表情は変わらない。

「……だってそうですね。私(あなた)にはそれしかないのですから」

 手元がぶれ、持つナイフの先が揺れる。
 その言葉を否定する感情がこみ上げてくるが、一方で納得してしまう。

「あんな風に、他愛のない会話も、他愛もない話の話題も、私(あなた)にはない。

口(ロート)を開いて出てくるのは、殺していた人間のことと、死んでいった仲間のこと。

あとはせいぜい戦闘技術くらい。貴女(わたし)にはそれしかないのです」

「……それはっ!!!」

 かろうじて喉から搾り出た言葉。
 目の前の自分の言葉を否定するために紡ぎだした言葉だというのに、その先が続かない。
 そんなことはないと、たとえこれまではそうだとしても、今の自分にはそれだけじゃないと。



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