過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
1- 20
76: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:28:08.04 ID:NGKYIe+ko

 だが記憶の中には、結局カースとの戦闘や、悪を働く者たちとの戦いの記憶しか浮かばない。
 これまで培った技術を駆使して、それらと戦ってきたこの数か月。
 それ以外にもあるはずなのに、語ろうとするにはあまりに貧困であった。

「ヤー……я……わ、わたしは……」

 ナイフはこちらが付きつけているはずなのに、アーニャは逆に喉元に鋭い刃を当てられる気分になる。
 わからない。
 なんで二人を殺した?まるで当たり前であるように。
 なんで自分を殺そうとしている?まるでそうしてきたかのように。
 なんで自分は……。

「Я……борюсь(私は……戦っている)?」

 気が付けば、アーニャの目の前に突き付けられたナイフがあった。
 背中にはファミレスの冷たいソファの感触。
 そしてナイフの向こうには、やはりアーニャ自身。

「貴女(わたし)はどうして、ここで死にかけている?」

 そんなナイフを突き立てるアーニャからの問い。
 ナイフの先から血が一滴ポタリとアーニャの刃先に落ちた。
 さっきまで自分がナイフを突き立てていたというのに、いつの間にか逆転しているという状況。
 いや、アーニャにはわからない。初めからナイフを突き立てていたのが自分だったのか、目の前にいるアナスタシアだったのか。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
833Res/856.52 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice