過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2015/04/24(金) 01:28:08.04 ID:NGKYIe+ko
だが記憶の中には、結局カースとの戦闘や、悪を働く者たちとの戦いの記憶しか浮かばない。
これまで培った技術を駆使して、それらと戦ってきたこの数か月。
それ以外にもあるはずなのに、語ろうとするにはあまりに貧困であった。
「ヤー……я……わ、わたしは……」
ナイフはこちらが付きつけているはずなのに、アーニャは逆に喉元に鋭い刃を当てられる気分になる。
わからない。
なんで二人を殺した?まるで当たり前であるように。
なんで自分を殺そうとしている?まるでそうしてきたかのように。
なんで自分は……。
「Я……борюсь(私は……戦っている)?」
気が付けば、アーニャの目の前に突き付けられたナイフがあった。
背中にはファミレスの冷たいソファの感触。
そしてナイフの向こうには、やはりアーニャ自身。
「貴女(わたし)はどうして、ここで死にかけている?」
そんなナイフを突き立てるアーニャからの問い。
ナイフの先から血が一滴ポタリとアーニャの刃先に落ちた。
さっきまで自分がナイフを突き立てていたというのに、いつの間にか逆転しているという状況。
いや、アーニャにはわからない。初めからナイフを突き立てていたのが自分だったのか、目の前にいるアナスタシアだったのか。
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