過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆lhyaSqoHV6
[sagasage]
2016/02/07(日) 07:09:27.14 ID:ARR+iEHZo
海賊機の編隊は、襲撃者と会敵してから数分と経たずに、阿鼻叫喚の様相を呈していた。
指揮官の懸命の指示にも関わらず、既に半数以上が撃墜されている。
『なんなんだコイツは! ちくしょう、振り切れねえ! うわぁっ』
『クソッ!またやられた……ッ!? く、来るな!来るなああぁっ!』
数で上回るものの、相手の動きについてゆくことが出来ない。
複数で追撃を仕掛けるも射線に捉えられず、逆に撃墜されていく。
遂には、指揮官機とその僚機を残すのみとなっていた。
『兄貴! う、後ろに……周られた!』
「持ち堪えろ! こちらもヤツの後ろが取れる!!」
『た、助け──』
指揮官の援護はあと一歩間に合わず、僚機は眼前で爆散した。
四散した破片が高速で背後に流れてゆくが、そちらを見やる余裕は無い。
「クッ!」
指揮官は最後の仲間がやられた事実を受けて歯噛みする。
これまで多くの難局を──あの、宇宙戦争をも切り抜けてきた仲間が、たった一機の相手になす術も無くやられていった。
それも、ほんの僅かの間に。
「だが……背後を取った! 堕ちろッ!」
それでも仲間の犠牲の甲斐あってか、襲撃者を照準の中央に捉える事に成功した指揮官は、逸る気を抑えビームガンポッドの発射トリガーを引いた。
「やった……やってやったぞ……!!」
ビーム粒子の束が襲撃者に襲い掛かるのを視認し、勝利を確信する。
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