過去ログ - 梓「憂、もう帰ろ?」憂「…………」
↓ 1- 覧 板 20
2:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:01:31.35 ID:A/teO6r30
-winter side-
ひらひらと花びらみたいに落ちてくる雪が頬に触れた。
止めていた息を一挙に吐き出し、瞼を開く。
しばらく瞳を閉じていたせいか、一瞬光に眩みそうになる。
けれど、だんだんと姿を現すにつれて、空は水糊みたいに濁っていった。
雪はさっきまでと変わらずに降り止む様子はなくて、どんどんと世界を一色に塗りつぶしていく。
ここも、あそこも、そっちも、むこうも、何もかも。あれやこれやの違いは限りなく薄くなっていく。
いまさっき吐き出したわたしの息までも溶けていっちゃう。
この雪が全て溶けてしまったら、この街は海になってしまうのかもしれない。そんなことを思った。
138Res/118.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。