過去ログ - 梓「憂、もう帰ろ?」憂「…………」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:03:00.43 ID:A/teO6r30
『おぉ〜い』
首だけひょいと向きを変え、声がした方を振り向く。こちらに向かって手を振りながら歩いてくる人影が見えた。わたしはむっくりと立ち上がり、全身についた雪をパンパンと振り払った。
それからわたしも同じように軽く手を挙げて、くちびるの端をあげてみる。…たぶんこの距離じゃ、表情なんてわかりはしないだろうけれど。
ぎゅっぎゅっと雪を踏みしめる音が大きくなるにつれて、お互いの顔がはっきりわかるくらい近づくと、あの子がいつものように呆れた表情をしているとわかった。
『なにやってんですか。こんなところで寒い日に雪に埋もれて寝転んでたら、風邪ひきますよっ』
『エヘヘ…いや〜桜高に来るのも、こんなに雪が降るも久しぶりだからさ。つい、ね』
『あとで風邪ひいた〜なんて言い出しても知りませんからね。ちゃんと自己管理してください。面倒見るのヤですよ、わたし』
への字に結ばれたくちびる。
いつも通りの、憎まれ口。おなじみの、憎まれ口。
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