過去ログ - まったく、小学生は最高だぜ!! 百合ver
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◆/BueNLs5lw
[sage saga]
2015/04/05(日) 10:29:42.75 ID:UROCsVvH0
勝手に許されたと勘違いしている顔。
他に何て言えば、首を締められるという結末から開放されるのだろう。
「そっか、それで変なこと言ってたんだ。うん、ごめん。ちょっと、僕もかっとなっちゃって……君が弟を連れてくるなんて言うから動転したみたい」
「そうだよね。私こそ、ごめんね。せっかく2人がいいって言ってくれてるのに」
爪のくい込んだくぼみをさすり、私は乱れた衣服を整える。
破れたシャツはもう使えない。
「この部屋、君の匂いだけだろ? それがいいんだ。桜の香り」
「ありがと……」
冷静さを取り戻した彼は、激昂した後決まって部屋の片付けを機械のように手伝ってくれる。
割れた茶碗、潰れたティッシュケース、びしょびしょのカーペット。
一つ一つきちんとだ。
最後に掃除機もかけて、何事もなかったかのように去っていく。
終わりが良ければ全ていいと思っているのかもしれない。
「じゃ、また学校で。お大事に」
とても爽やかな顔で、私が見えなくなるまで手を振って帰っていく。
深夜1時の出来事。
それは、このアパートの一室の日常だった。
「……あ」
足を軽く後ろへ引く。
向かいの住宅から突き出た桜の木々が、アパートの蛍光灯に照らし出されていた。
夕方まで雨が振っていたため、かなり散ってしまって、
1階であるこちらのドアの前は、たくさんの桜の花びらで敷き詰められていた。
湿った空気に押しつぶされるように、貼りついている。
桜の香り。
彼を魅惑する匂い。
そんなものなければ良かった。
彼を喜ばすこの膨らみも、
何もかもなければ良かった。
風が吹くと首筋が痛んだ。
部屋に戻り、明かりをつけ、
手鏡を手に取って首元を見た。
桜の花びらのような痕が、
いくつか残っていた。
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