1:名無しNIPPER[saga]
2015/04/05(日) 21:35:59.88 ID:Ece2V8P70
千鶴のSS少ないから自給自足  
  短いですが千鶴視点で  
  千鶴の過去について自分なりの勝手な解釈(ねつ造ともいう)があるので注意
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[saga]
2015/04/05(日) 21:37:44.65 ID:Ece2V8P70
 向こうでは咲き始めた桜も,こっちではまだ咲いていない。 
 けれど蕾はだいぶ膨らんでいて,今か今かと待ち望んでいるようだった。 
 ぽかぽか温かい春の陽気の中,荷物をたくさん詰めこんだキャリーバックを転がしておばあちゃんの家へと向かう。 
  
 春と言えば出会いと別れの季節。昔から転校が多かったせいで,たぶん人一倍,出会いと別れを経験しているような気がする。 
3:名無しNIPPER[sage]
2015/04/05(日) 21:37:52.18 ID:I74+bYsC0
 期待 
4:名無しNIPPER[saga]
2015/04/05(日) 21:39:27.25 ID:Ece2V8P70
 「戻ってきた」というのは,七森中を卒業した後,私たちは引っ越したからだ。 
 ただ学校がバラバラになるだけではなくて,地理的にも離れてしまう。 
 そんなことは何回も経験して来たのに,このときはいつもと違ってた。 
  
 中二の体育ときに仲良くなった二人を含む友達と,生徒会,そして娯楽部のみんなと「連絡するから」,「絶対また会おう」って別れを惜しんで。 
5:名無しNIPPER[saga]
2015/04/05(日) 21:41:37.44 ID:Ece2V8P70
 あんなに泣いたのは小学校の低学年以だろうか。 
 一回目の転校,二回目の転校はこのときみたいに泣いたのに,三回目からは泣かなくなっていった。 
 別れることに慣れたのか,それとも諦めていたのか。 
  
 友達を作ってもすぐに離れ離れになってしまう。 
6:名無しNIPPER[saga]
2015/04/05(日) 21:43:58.30 ID:Ece2V8P70
 中学の最初の夏休み,大阪のおばあちゃんの家に行く途中の駅で電車を降りて観光したことがある。 
 たった一年しか住んでいなかったけれど,その町は昔住んでいた町。 
 あの頃はまだ小さくて特に興味がなかったお城を,歴史に興味を持ち始めた当時,もう一度見に行こうとその町に寄ったのだ。 
  
 時間がゆっくり流れているような落ち着いた城下町,町並みも昔とほとんど変わらないままで。 
7:名無しNIPPER[saga]
2015/04/05(日) 21:47:02.89 ID:Ece2V8P70
 そんなことがあったから,この町に戻るのは少し怖かった。 
 三年前にこの場所で過ごした思い出を思い出せなかったらどうしようって,少し不安だった。 
 けれど,その心配は杞憂だった。中二の頃仲良くなった二人と帰った道,連れられて寄り道したアイス屋さん,そして―― 
  
  
8:名無しNIPPER[saga]
2015/04/05(日) 21:48:31.45 ID:Ece2V8P70
  
  
  
  
  
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