11: ◆Freege5emM[saga]
2015/04/06(月) 22:42:07.56 ID:Busjx15yo
●15
いつの日だったか、私はほたるちゃんと事務所の休憩室で二人きりになりました。
「私とほたるちゃんが初めて話したのは、確かこの姿見の前でしたよね」
ほたるちゃんが姿見に向かって、
一人で百面相しているところに、私が声をかけたはずです。
「ほら、姿見の向こうのほたるちゃん見て。あの時のほたるちゃんは可愛かったなー。
でも、今のほたるちゃんの方がもーっと可愛いですけどね♪」
私がほたるちゃんを背中から抱きしめようと腕を伸ばすと、
ほたるちゃんはびくんと細い両肩を縮こまらせました。
鏡越しだから、私の動きが筒抜けなんで、しょうがないですね。
「茄子、さん……」
「私の名前、呼んでくれて嬉しいですねー」
鏡越しに見つめてくるほたるちゃんの目は、
出会ったばかりの頃に似た伏し目でした。
「ほら、笑って。笑って。ほたるちゃんの笑顔は素敵だから、もっと見たいです」
そう言いながら私は、ほたるちゃんの服の上から、
まだあどけない彼女の身体に手を這わせます。
肌の下に流れる緊張が、私にまで伝わってきて、それがとても愛おしいです。
「表情筋が強張っちゃってますねー。アイドルなら、自然な笑顔を見せたいところです」
耳元に後ろから近づいてささやくと、また反応がいいんです。
しかも姿見があるから、同時にほたるちゃんの表情を堪能できます。贅沢ですね。
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