66: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2015/04/16(木) 06:52:23.83 ID:l1z8OGG2o
俺はこう言うと、ドアへ向かおうとした。ところが。
楓さんがくいくい、と。俺を引っ張る。
「あ、そうそう」
67: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2015/04/16(木) 06:53:07.10 ID:l1z8OGG2o
「楓さん、知ってたでしょ」
68: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2015/04/16(木) 06:53:43.97 ID:l1z8OGG2o
楓さんは殊勝な表情で、そう言う。
「なんで、そこまでするんです? はっきり言えば、これは楓さんが首突っ込んでやることじゃない。なんでです?」
69: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2015/04/16(木) 06:54:17.67 ID:l1z8OGG2o
おっさんとのトラブルは、事務所のアイドルたちみんなが心配していた。
そして、件のおっさんのよろしくない噂は、たびたび楽屋でも聞いていた、らしい。
そんな中、先ほどのディレクターが楓さんに、情報をくれた。
70: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2015/04/16(木) 06:54:57.83 ID:l1z8OGG2o
「あのですねえ。そうは言っても楓さんになにかあったら、俺が困ります。ほれ、楓さんの想い人、でしたっけ?」
そうだ。
楓さん、心に決めた人がいるっつってたじゃん。思い出したぞ。
71: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2015/04/16(木) 06:55:34.58 ID:l1z8OGG2o
え? 俺、怒らせちゃった?
いやいやいや。大事なことだし。
「胸に手を当てて、って」
72: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2015/04/16(木) 06:56:03.02 ID:l1z8OGG2o
謝ったところで、楓さんは振り向いてくれない。
ああ、もう。どうする俺。
「……楓さんが大事で。これからもその、一番大事で。ええと」
73: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2015/04/16(木) 06:56:32.38 ID:l1z8OGG2o
「あらPさん。まだ私が、女神に見えます?」
「え? あ? いや。あれ? はい?」
74: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2015/04/16(木) 06:57:07.17 ID:l1z8OGG2o
「Pさん。今日の私、がんばりましたよね?」
楓さんは運転中の俺に、顔を近づける。
75: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2015/04/16(木) 06:57:37.80 ID:l1z8OGG2o
「女神様には、御神酒を奉るもの、ですよ?」
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