6: ◆sXMLNpttdw[saga]
2015/04/08(水) 23:58:20.31 ID:9CplnFxm0
「……」
そう言ってわたしに白いカードを押し付けると、彼(?)は入口の方へと戻っていきました。
いったい何者なのだろう、彼は。自分のことをボクと呼んでいた以上、おそらくは男性なのでしょうが。
しかしその背も、体格も小柄で、大人にはとても見えません。
少年、というくらいの年ごろなのでしょうか。
一番の決め手になるであろう顔は、わたしには見えませんでした。
彼は仮面をかぶっていたのです。
少し紫がかったプラチナの髪をした、女の子の仮面でした。なんだか、ちぐはぐです。
そんなことを思いながら廊下を歩くと、つきあたりに両開きの大きなドアが見つかりました。
入口のそばにあるプレートには『第一閲覧室』とあります。
……入ってみましょうか。
その大きな扉に見合った厳めしいドアノブを握ると、金属の冷たさがわたしの手から体温を奪います。
がちゃりと回すと、さび付いたような音を立てながら、扉が開きます。
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