過去ログ - ABE NANA Z〜アイカツの「F」〜
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12: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/04/10(金) 22:41:30.04 ID:N8MCYESO0
 菜々の動きを見て、フリーザはダンスを踊る。うむ、実に不気味だった。
 菜々は手で音頭を取りながら、掛け声をかける。
 戦闘が得意なだけあって、動きにキレがあって実によかった。物覚えもいい。
 ただ、時々フリーザがステップを踏むと地面にヒビが入るのは気づかぬふりは出来なかった。注意も出来ない。

「凄い、もう覚えちゃいましたね!」

 菜々は何も見ていない。
 床にヒビも入っていないし、ダンスの衝撃で壁に亀裂も入っていない。

「ホッホッホ! これくらい余裕ですよ」

「1つ注意点があるとすれば、踊る時も笑顔だといいですね。アイドルは常に笑顔です!」

 にぃっと両手で口を釣り上げる。フリーザもそれにならって口角を上げた。

「それじゃ、1回ナナと踊って動きを合わせて見てください」

 フリーザの隣に立つ菜々。目の前の大きな鏡に映る光景が、今でも信じられない。
 ジャージ姿のフリーザに、ジャージ姿の菜々。
 なんなんだ、これは、と菜々は遠くを見つめるように鏡を見た。

「いきますよ。ワンツースリーフォー」

 菜々とまったく同じ動きをするフリーザ。人と合わせるのも問題ないようだ。
 早く動こうと思えば動けるのに、あえて菜々の方に動きのスピードを合わせている。
 案外、いいアイドルになるのかもしれない、菜々はそう思った。
 そして、最後のターン。


 クルッと回ったフリーザの尻尾が、隣にいた菜々に襲い掛かる。


「ふみゅぐっ!!!」

 ゴッ! ガッ!! パリーンッ!!!!
 2回地面をバウンドして、菜々は窓ガラスを突き破って外に飛ばされた。

「ぃやあ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ーーーーーーー!!!!!」


「な、菜々さぁーーーーーーーん!!!!!!!」


 プロデューサーの無力な叫びが、特訓室にこだました。



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