過去ログ - ABE NANA Z〜アイカツの「F」〜
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◆2YxvakPABs
[saga]
2015/04/10(金) 22:35:33.52 ID:N8MCYESO0
「期間は1週間ほどです。引き受けて、いただけますか」
「……」
菜々は考えた。育成するということは、その子に色々教えなければならないということだ。
菜々だってまだ完璧ではない。
教えられるほどの力が、自分にあるだろうか。そんな考えが浮かんでは消える。
だが、同じくらい、その子の力になりたいと思ったのも事実だ。
目を閉じ数秒。菜々は考えた末の答えをプロデューサーに告げた。
「ナナ、やります! うぅん。やらせてください!」
その答えを聞いたプロデューサーは、安心した顔をする。
菜々も、ニッコリと笑った。
「実は、もうその新世代アイドルの方は来られているんですよ」
「え?」
びっくりした反面、緊張でドキドキしてくる。
心の準備がまだ整っていなかった。
どんな顔をすればいいだろう。どう声をかければいいだろうと、菜々の頭の中でグルグルと考えが渦を巻く。
というより、菜々が断ったらその人たちはどうするつもりだったのだろうか、と思ったが、プロデューサーは菜々が断らないと踏んでいたのかも知れない。
「どうぞ、お入りください」
プロデューサーが声をかけると、ガチャリと、ドアノブが回る音がした。それと同時に、菜々の心臓もさらに高鳴る。
菜々は振り返ることが出来ない。
まだ、どういう反応をしていいかわからないからだ。
「お待たせしました。こちら、この度育成係をしていただくことになった、安部菜々さんです」
プロデューサーの紹介が入り、菜々は腹をくくった。
勢い良く振り返り、自己紹介を始める。
「はじめまして! ウサミン星からやってきたウサミン星人! 安部菜々です! ナナもまだまだ未熟ですが、全力でやらせていただきますっ! よろしくお願いします! キャハっ」
ここで初めて、この部屋に入ってきた新人アイドルを見た。
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