過去ログ - 艦娘という存在
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31:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 21:01:14.45 ID:eM9XkrPr0
そして、住処の壊滅に成功した。しかし生き残りによる攻撃はかつてないほど激しく、
護衛任務に当たっていた艦娘三十数人は中破し、帰投したほどだ。

私は直ちに大型の艦娘を派遣。敵の情報が全くなかったが、なんとか、対抗はできた。
その日から、私はFinalのFから取った、『F作戦』の制作に打ち込んだ。
以下略



32:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 21:02:01.06 ID:eM9XkrPr0
加賀、大和、五十鈴を出撃に出す。万全に動ける艦娘のうち、帰投できる見込みのある艦娘は、この3人だけだった。

「無事を祈る。そして、深海棲艦を撲滅してくれ。出撃!」

「はい!」
以下略



33:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 21:03:21.41 ID:eM9XkrPr0
「ヒュー……ヒュー……」

 加賀の荒い息が聞こえてくる。常に冷静だった加賀が、ここまで追い込まれるとは……

「加賀、しばらく私は司令室を離れる……耐えてくれ」
以下略



34:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 21:04:17.91 ID:eM9XkrPr0
***
***

 艦娘たちの訓練は、間もなく終了しようとしていた。
 あと何日かしたら、彼女たちは全員、ここを離れて戦場に行く。どれくらいで戦争が終わり、どれくらいの艦娘が生き残ってくるのかは分からない。
以下略



35:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 21:05:10.40 ID:eM9XkrPr0
 「ハジメ、軍部の人がお呼びだ」

 「は?」

 僕は研究室で、艦娘たちの健康状態のデータをまとめていた。これは軍部に命令された仕事だった。
以下略



36:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 21:05:58.32 ID:eM9XkrPr0
 「ご苦労。お前は下がってくれ」

 「失礼しました」

 扉の閉まる音が響き、部屋には私と元帥の二人きりとなった。緊張で汗が出てくる。
以下略



37:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 21:07:17.06 ID:eM9XkrPr0
「谷川一、A鎮守府の提督を命ずる」

はい? とは言わなかったが、僕は目を見開いた。僕はただの研究員だ。
運動もろくにやらず、軍の礼儀も知らない。そもそも、僕は軍人ではない。

以下略



38:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 21:08:12.14 ID:eM9XkrPr0
「……何か気になることがあるようだな。言え」

心を見透かされたことに僕は動揺を隠せなかったが、言われた通り、自分の不安をそのまま言った。

「田中茂は、なぜ選ばれなかったのですか?」
以下略



39:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 21:08:49.32 ID:eM9XkrPr0
そして鎮守府への着任。執務室で腕を組んでじっとしていると、電が、ドアをノックした。

「司令官、式典が始まります」

艦娘養成施設とは違った雰囲気が、電からは感じられた。私は威厳を表明するため、軽く電を睨んだ。電の表情が一層堅くなった。
以下略



40:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 21:09:56.12 ID:eM9XkrPr0
 気付いたとき、我々が戦っていた深海棲艦は死んでいた。
 黒い液体を体から流し、水面付近に漂っていたと思えば、ゆっくりと、しかしあっという間に、沈んでいった。
 加賀と私はぼろぼろになった服をまとい、その様子を眺めていた。

 「……勝ちましたね」
以下略



41:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 21:10:43.58 ID:eM9XkrPr0
戦争後の事務仕事は多くの艦娘に手伝ってもらい、無事、終えることができた。まだ左手のギブスが不自由だが、あまり関係ない。

軍部から祝いとして、酒と美味いものが送られてきた。私はそれで、小さな宴会を開いた。

その翌日、深海棲艦、撲滅確定の知らせが来た。
以下略



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