過去ログ - 響「・・・強くなりたい」 響鬼「よろしくっ、シュッ!」
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18: ◆li7/Wegg1c[saga]
2015/04/28(火) 21:30:34.11 ID:y2VBYbOF0


それからしばらくすると、優しい笑顔の青年がテントの前に現れた。

筋肉質で童顔の、優しそうな青年だった。

「久しぶり。いきなり電話して来いって言うんだからビックリしたよ」

「明日夢、悪いけどこのクソガキを里までおろしてくれ」

明日夢は銀髪の少女を見つめる。その目には紅い擦った跡があった。

「そっか、京介にこっぴどく言われたんだね・・・」

響は悲しげに呟き、京介が自分に言ったことを明日夢に話した。

「こんな酷い人だったなんて・・・!」

「はいはい、俺はどーせ酷くて口の悪い最低の人間だよ。わかったらさっさと出てけ。修行の邪魔だ」と、手を振りながら京介。

「それは違うと思う」かぶりを横に振りながら、明日夢。

「え・・・?」

ポカンとした表情で、響は明日夢の顔を見た。

「コイツは昔から口が悪いんだけど、根はそんな悪いヤツじゃないんだよ」

「黙ってろよ明日夢・・・! お前には関係ない」

だが明日夢は京介を無視して話し続ける。

「鬼になる意味がないっていうのも、キミには鬼の力が必要ないってことだよ」

「・・・?」

響は困惑した表情で明日夢を見つめた。

「オレも、昔は女の子とデートの日に寝坊したり、お年寄りに席を譲れなかったり、万引き犯にボコられたり、どうしようもないグズだった。

そんな自分を変えたくて、強くなりたくて、鬼になろうとしたこともあった。でも、鬼にならないで、医者の道を選んだ。

その道も間違いじゃなかったと、今では思う。鬼にならない道でも人は誰かを守れるし、そして強くなれるんだよ」

「鬼にならなくても、強くなれるの・・・?」と響。

「そう。オレの師匠が、教えてくれたことさ。

大事なのは鬼の力じゃない。明日を生きようとする心の強さだって」


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