過去ログ - 響「・・・強くなりたい」 響鬼「よろしくっ、シュッ!」
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◆li7/Wegg1c
[saga]
2015/04/28(火) 21:12:24.74 ID:7uE2/9QY0
その頃、響は山を流れる川を遡上する鮭の如く進んでいた。
修行すれば強くなれる。きっとあの悪夢も見なくて済む。
とりあえず山奥に行くことにした。修行といえば山奥。漫画で読んだことがある。厳しい山奥で修行すれば、きっと強くなれる。そんな単純な考えに支配され、響は山奥へと入った。
「暑いな・・・」
どちらかといえば寒さに強い体質なので、蒸し暑い森の中は彼女にとってやや耐え難い。木漏れ日が彼女の雪のように白い肌を照らし、ジリジリと痛めつける。
「暑い・・・」
とにかく、滝でも見つけて修行しよう。暑さに耐えるのも修行かもしれないけど、まずは滝に打たれてからにしよう。
そう思って汗をぬぐい、川を辿っていると、突如水面が揺れだすのを目にした。
「なに、これ・・・?」
危機を察した響が川から離れると、突然、水しぶきをあげて巨大なカニが現れた。
(朧だったら喜んだかもしれないな・・)
濡鼠になりながら響は思った。だが、そんなことを考えている余裕はなかった。巨大な赤いハサミを振り回し、バケガニは響を切り刻もうと近づいてくる。
響は何とか攻撃を避けつつ、手持ちの機銃から弾丸を発射する。
手応えあり。弾丸も確実にハサミに直撃した。
にも関わらず、バケガニはその傷をものともせずに襲いかかってくる。穴のあいたハサミもすぐに傷が塞がってゆく。
「くっ・・・!」
マズい・・・。このままじゃ負ける・・・!
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