過去ログ - 目が覚めると犬が死んでいて、手には指輪があった
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1:名無しNIPPER[saga]
2015/04/30(木) 02:31:11.16 ID:FqSE0XcJ0
目が覚めると、昨日拾った犬が冷たくなっていた。

良く晴れた日の朝の事。


犬は私の隣で眠っているようで、堅くなったその身体はもう鼓動を打てなかった。

こんな犬なんの愛着もないのに何故だか涙が止まらなくて、わんわん泣いて、眼がすももみたいに晴れ上がったところで大学を休む決意をした。


私は指輪をしていた。

それまでしていなかった訳ではないけれど、見慣れないものが左手の小指にひとつ。

金のメビウス型に不思議な幾何学模様が描いてあって、見ているだけで落ち着く。


昨日拾った犬を思い出した。

横を見ると犬の亡骸はなかった。


代わりに元気に尻尾を振っている犬が側にいて、息も荒く舌を出す。


あれ、


と思いながらも生きていたことに安堵した。


おいで。


手を広げると犬は駆け寄ってきて、でも、私の前で煙のように消えてしまった。


横を見れば犬は変わらない姿で私を見ていた。

元気に舌を出して、尻尾を振って。

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