過去ログ - 扶桑「私たちに、沈めとおっしゃるのですか?」 提督「そうだ」
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79: ◆bBUdJHUgklsz[saga]
2015/05/21(木) 23:59:28.64 ID:3C1qg5lr0


「ふ、そう……?」

 入口にいつの間にか立っていた扶桑の名前を呼ぶ。
 扶桑だけではない、山城もその後ろに控えていた。
 
「満潮」

 泣き崩れた、満潮の傍に近寄り声をかける。
 普段通りの、優しい声で。毎日の挨拶でもするかのような、そんな声だった。
 扶桑はかがんで満潮と視線を合わせると、そっと手を満潮の頭にのせる。

「扶桑?」
「満潮、あなたは本当に優しい子ね」

 愛しそうに、我が子を愛でるように、優しく頭を撫でてあげる。
 いつもの満潮ならば、子供扱いするな、と怒ったのだろうが今に限ってはそんなこと出来るわけもなかった。
 

「憎まれ口をたたいて、何かと火種を作るのがうまいあなただけれど根は誰よりも優しいって、私は知っているのよ」
「そんな……やめてよ」
「だから、その優しさをいつまでも、ね?」
「だから、やめてってばっ」

 そんなこと言わないでほしい、と満潮は思った。
 そんな、まるで別れの言葉みたいに、言わないでほしかった。
 もう会えなくなるかのような、そんな言葉なんて、欲しくなかった。



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