過去ログ - 由比ヶ浜結衣はまた恋をする
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 07:37:18.43 ID:PyKvkZDTo
それからも機会を見つけては、声をかけようとヒッキーを眺めていたけど話しかけることはなくて、いつ見てもやっぱりヒッキーは一人だった。

たまにクラスの男の子なんかが話しかけるのを見たこともあった。でもヒッキーはめんどくさそうに、無愛想な返事をするだけ。

もしかしたら、周囲を寄せ付けないようにしているよう見えるのは気のせいじゃなくて、ヒッキー自身がほんとにそうしているのかも。なんのためかはわからないけど。
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 07:38:36.26 ID:PyKvkZDTo
結局何も言えないまま時間が流れ、そうこうしている間に二年生になった。
結局あたしは謝ることも何もできないまま、ほぼ一年を過ごしたことになる。

その間、朝礼や体育、何かのイベントがある度に、常に目でヒッキーを追っていた。

以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 07:39:22.73 ID:PyKvkZDTo
二年生の新しいクラス分け発表の掲示板を見るときに一番に探したのは、自分の名前じゃなくて比企谷八幡の文字だった。

F組にその名前を見つけ、同じクラスに自分の名前を探す。

あった。あたしとヒッキーは同じクラスだ。
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 07:40:28.83 ID:PyKvkZDTo
毎日が同じだった。

でもあたしもそれは同じで、クラスで仲良くなった友達と空気を読みながら付き合ってはいたけど、相変わらずヒッキーに話すきっかけは掴めなかった。

あたしは少しだけ、人に合わせることに、流されることに疲れていた。勇気を出せないでいる自分にも。
以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 07:41:25.28 ID:PyKvkZDTo
優美子や姫菜にはこんなこと相談なんかできない。こんなの、あたしには似合わないし。こんな乙女みたいなことバカにされちゃうかもしれない。

困った私は平塚先生に相談することにした。そこで奉仕部の存在を教えてくれた。

なんでも、生徒の悩み相談を受けて手助けしてくれる部活らしい。
以下略



18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 07:42:08.93 ID:PyKvkZDTo
初めて話したヒッキーの印象は、それはもう最悪だった。ほんとに。なんなのこの人、と思った。

同じクラスなのに、まさか自分のことを認識してもいなかったなんて。

あたしはずっと前から見てたからよく知ってたけど、まさか名前まで知らなかったなんて。
以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 07:43:09.05 ID:PyKvkZDTo
でも、それからのあたしは、少しだけ変わることができた。

クッキーは結局うまく作れなかったけど、元々食べてもらおうとしてたのはヒッキーだし、結果的にあたしから奉仕部へ出した最初の依頼は解決してもらえたってことになるのかな。

あたしが憧れるぐらい、最初からゆきのんは強くてかっこよかったし、ヒッキーは基本的に最悪だったけど、たまに優しかった。
以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 07:43:58.71 ID:PyKvkZDTo
それから奉仕部でいろんなことがあった。

あたしとゆきのん、あたしとヒッキー、ゆきのんとヒッキー。

三人の距離は近付いたと思ったら離れて、離れたと思ったら近付いて。
以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 07:44:41.46 ID:PyKvkZDTo
ヒッキーはいろんな依頼に対して、屁理屈みたいなよくわかんないこと言って、わけわかんないこともたくさんやって…。

あたしには真似の出来ない方法で、ヒッキー自身が傷だらけになりながら問題を解決してた。

そんなヒッキーを見るのはとても辛かった。けどあたしには何もできなかった。見ているだけだった。
以下略



22:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 07:45:40.15 ID:PyKvkZDTo
そんな奉仕部がなくなっちゃうかもしれない。そう思ったのは生徒会長選挙の時。

今度こそあたしもちゃんとやらなきゃと思った。

ゆきのんが生徒会長になったら奉仕部はきっとなくなる。
以下略



23:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 07:46:25.91 ID:PyKvkZDTo
ヒッキーが守ってくれたのは嬉しかった。

でもあたしはまた、何もできなかった。

そしてそれがきっかけで、奉仕部はあたしにとって安心できる場所じゃなくなってしまった。
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