16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 18:10:02.45 ID:+HxJNIVIo
唯「素敵だよ、澪ちゃん。とっても素敵で、うれしい。……けど、本当にいいの?」
澪「いいって、何が?」
唯「……それは、私を許すってこと、だよね?」
澪「許すも何も、別にそれくらい。いつかは皆に明かさないといけないって思ってたし。うん。いつか。そのうち……きっと……」
唯「………」
澪「うん………」
むしろこんな風にグダグダでバレるほうが私達らしい気さえしてきた。
澪「と、ともかく、いつかは明かさなきゃいけないってのは本心だから、それくらいで唯を嫌いになるなんて絶対ありえないよ」
唯「………あのね、澪ちゃん。もうひとつ」
またしても神妙な面持ちの唯が、口を開く。
じっと、私を見つめながら。
唯「もうひとつ、謝らなきゃいけないことがあるんだ……」
澪「……なに?」
唯「……ずっと、ずっと隠してる秘密が、私にはあるんだ。澪ちゃんにはいつかは明かさなきゃいけないってずっと思ってるんだけど」
澪「……うん」
唯「……でも、明かして澪ちゃんに嫌われたらって思うと、怖いんだ」
澪「………」
それはもしかしたら、唯の奥底、『真ん中』の部分に関係することなのかもしれない。
私がいくら見ようとしてもほとんど見えないところ。
わかりやすいはずの唯の、唯一のわからないところ。
唯自身が、きっと必死にひた隠しにしているところ。
それを隠し続ける理由が「怖いから」であるなら、私はそれを見せてくれなんて言えない。
きっと私だけは、絶対に言っちゃいけない。
唯「私は、澪ちゃんを愛してるって言いながら、ずっと隠し事をしてる……」
澪「………」
唯「……嫌われてもしょうがないって、自分でも思う。打ち明ければ済むだけなのに、その勇気もないんだ」
澪「……その勇気は、私にもないよ。だから私は、それだけじゃ唯を嫌いにはならない」
唯「っ………」
どんなことがあっても、何を隠していても、私は唯のことを嫌いになんてならない。
それが今の私の本心で、私が伝えたい言葉だ。
だけど、きっと唯が求めている言葉は違う。
怯え震える唯に、私が臆病者として言える言葉が、きっとあるはずなんだ。
澪「……黙っていれば、もしかしたら死ぬまで私に隠し通せたかもしれないのに」
唯「……自分のため、だよ。隠し事をしてるってことは信頼を裏切ってるってことだから、とっても胸が痛い」
澪「……うん。わかるよ。私もずっと胸が痛いから」
唯「……りっちゃんやムギちゃん達に?」
澪「うん。特に律に。唯、高校3年の時、律がこっそり曽我部先輩と会ってた時のこと、覚えてる?」
唯「もちろん覚えてるよ。私という彼女がいながら澪ちゃんはりっちゃんが彼氏を作ったことにプンプンしてたからね、面白かったし」
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