24:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 18:17:16.16 ID:+HxJNIVIo
【灰色の秘密】
――そして明かされた秘密は、本当に衝撃的なものだった。
唯「……実は私、宇宙人なんだ」
……え?
……宇宙人?
宇宙人っていうとあの、銀色で背が低くて頭の大きいあれだろうか。
全然そうは見えないけど、でもそうなのだろうか。
よく覚えてないけど、指が3本だったりもしたっけ。
私を触ってくれた、唯の指が……
澪「っ」
寒気がした。
怖かった。
唯「……ごめんね、気持ち悪いよね」
澪「そ、んな、ことは……」
唯の秘密を、受け止めると言った。
疑ってはいない。こんな真剣な唯の言葉を疑えるはずがない。
でも、笑って受け入れるなんてことは、到底出来ていなかった。
唯「……ごめんね」
信じたくなかった。
ちゃんと指も5本ある。ギターも弾ける。歌も歌える。そんな唯が宇宙人だなんて、私と違う存在だなんて、信じたくなかった。
……信じたくなかった、からだろうか。
私は、怖いはずなのに、唯に近づき、その手を握っていた。
厳密には、唯の指を調べ始めていた。
唯「……み、澪ちゃん?」
澪「………」
何も変わらない。
私と何も違わない。
ギターを弾き続け、指先の皮がやや硬くなった、いつもの唯の指がそこにあった。
ぷにぷにしていた。
澪「……何も……」
唯「……え?」
澪「何も! 違わないだろ!!」
なぜか、私は怒っていた。
澪「指も! 顔もっ!!」
唯の頬に、手を添えて。
澪「何もかも!私と変わらないだろ!!全部!!!」
確かめたわけじゃないけど、きっと全部。
……心までも、きっと私達と何も変わらない。
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