10: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/05/13(水) 21:34:06.36 ID:r/hzVa010
意外だった。差し出されたヘッドフォンを耳に掛けると、聴こえてきたのは――。
「これ、何かのアニメの曲?」
「アニ……あっ!」
11: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/05/13(水) 21:51:34.13 ID:r/hzVa010
「えっと……」
「いいの。この曲、好き……」
伸びやかで元気な歌声は、どこか私の歌に似ているような気もした。
12: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/05/13(水) 21:58:14.12 ID:r/hzVa010
「説得、ダメだった」
「李衣菜ちゃん、お疲れ様」
「蘭子ちゃん、やっぱり昨日のこと……」
13: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/06/13(土) 12:25:17.76 ID:Z3dKQGvH0
私はただ怖かった。あれは誰?どうしてあんな風に歌えるの?
あれは私?違う。私じゃない。もう一人の……“誰か”。
私は布団に蹲っていた。このまま眠ってしまいたかったが、また邪魔が入る。
14: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/06/13(土) 12:35:21.39 ID:Z3dKQGvH0
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15: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/07/05(日) 19:24:44.90 ID:izcGGKQU0
「蘭子ちゃん、話の続き、しに来たよ」
「どうして……?」
「中途半端は嫌だからね」
16: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/07/05(日) 20:08:52.94 ID:izcGGKQU0
食卓では私はだんまりだった。みくちゃんとアーニャちゃんがただ談笑するだけで、李衣菜ちゃんは黙々と食べ進めていた。
食事を終えると、私と李衣菜ちゃんの二人きりで私の部屋にいた。みくちゃん達は空気を読んでのことか、それぞれ自室にいるのだろが、私には心細かった。というよりは、今は李衣菜ちゃんと二人きりにはなりたくなかった。
「蘭子ちゃんさ、さっきどうして逃げちゃったの?」
17: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/07/05(日) 20:33:46.22 ID:izcGGKQU0
「似てた?何が?」
「……声?」
「声?」
18: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/07/05(日) 20:35:02.33 ID:izcGGKQU0
「“厨二病”って言うんだよ!!」
19: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/07/05(日) 21:17:30.99 ID:izcGGKQU0
私は私が誰でもないなんて言ってない。李衣菜ちゃんが勝手に飛躍させただけだ。
「私は――」
違う。私はこうじゃない。私は――
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