4: ◆IIarfIElUA[saga]
2015/05/16(土) 02:11:34.88 ID:cYFCM9Ym0
「まったく、歳納京子ったら・・・
あんな自分勝手な人に振り回される船見さんも大変ね」
千歳が一緒についてきていたなら、2回は鼻血を出していただろう。
まぁもっとも、私はその「自分勝手な人」を好きになってしまったのだけど。
あんなに突拍子もなくてうるさい癖に、時々見せる優しさや、淀みのない満面の笑みに惹かれてしまう。
「自分にないものを沢山持っているから、かしら・・・」
部室の畳に大の字になり、近くにあった座布団に頭を乗せて寝転び、伸びをする。
生徒会室では出来ない姿勢に、少し優越感を覚えた。
なんで、歳納京子を。
寝る前に考えたりもするけど、結局答えが出ないままだった。
いや、本当は答えが出ているのに、認められないだけ・・・?
障子の隙間から、少し風が入ってきた。
部屋の中の匂いが回転する。
その中に微かに混じる、他の人とは違う、歳納京子の匂い。
学校のある日はほぼ毎日、ここで過ごしているのだから、残っていてもおかしくはない。
今日は他の部員は来ていないらしいから、今一番強く残っているのは、全部、京子の──
今は自分だけがこの匂いを独占しているのだ・・・
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