1:名無しNIPPER
2015/05/16(土) 20:48:43.43 ID:9uVkpaBD0
タイトルで想像できる通りのオマージュどころじゃないパクリです
本スレのネタがふんだんに含まれているのでご注意を
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER
2015/05/16(土) 20:56:42.36 ID:9uVkpaBD0
ある日の暮方の事である。一人のCoPが、羅生門の下で雨やみを待っていた。
広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。羅生門が、朱雀大路にある以上は、この男のほかにも、雨やみをするあやかし京娘や天衣の織姫が、もう二三人はありそうなものである。それが、この男のほかには誰もいない。
何故かと云うと、この二三年、京都エリアには、不具合とかBANとか手動全力とか即身仏とか云う災がつづいて起った。そこで公式サークルのさびれ方は一通りではない。旧記によると、スタドリやエナドリを打砕いて、その星の飾りがついたり、赤いロゴの入ったりした瓶を、路ばたにつみ重ねて、薪の料に売っていたと云う事である。サークルがその始末であるから、羅生門の修理などは、元より誰も捨てて顧る者がなかった。するとその荒れ果てたのをよい事にして、ぴにゃこら太が棲む。うさぎが棲む。とうとうしまいには、引取り手のない爆死者を、この門へ持って来て、棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、日の目が見えなくなると、誰でも気味を悪るがって、この門の近所へは足ぶみをしない事になってしまったのである。
3:名無しNIPPER
2015/05/16(土) 21:00:51.99 ID:9uVkpaBD0
作者はさっき、「CoPが雨やみを待っていた」と書いた。しかし、CoPは雨がやんでも、格別どうしようと云う当てはない。ふだんなら、勿論、プロダクションへ帰る可き筈である。所がその社長からは、四五日前に代表に意見するってよく考えたらすごく失礼なこととして暇を出された。前にも書いたように、当時京都エリアは一通りならず衰微していた。今このCoPが、永年、使われていた社長から、暇を出されたのも、実はこの衰微の小さな余波にほかならない。だから「CoPが雨やみを待っていた」と云うよりも「雨にふりこめられたCoPが、行き所がなくて、途方にくれていた」と云う方が、適当である。その上、今日の空模様も少からず、このモバマス末期の下人の DOKIDOKIRHYTHM に影響した。申の刻こく下がりからふり出した雨は、いまだに上るけしきがない。そこで、CoPは、何をおいても差当り明日の暮しをどうにかしようとして――云わばどうにもならない事を、どうにかしようとして、とりとめもない考えをたどりながら、さっきから朱雀大路にふる雨の音を、聞くともなく聞いていたのである。
雨は、羅生門をつつんで、遠くから、ざあっと云う音をあつめて来る。夕闇は次第に空を低くして、見上げると、門の屋根が、斜につき出した甍の先に、重たくうす暗い雲を支えている。
4:名無しNIPPER[sage]
2015/05/16(土) 21:29:58.26 ID:90bD1Sb4O
ってかわいくもないしキャラも面白くないしまさに誰得
動きと台詞がいちいちウザいし
あと顔がデカいのもまさに誰得
5:名無しNIPPER
2015/05/16(土) 21:36:20.46 ID:9uVkpaBD0
どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んでいる遑はない。選んでいれば、ボーダーの下か、ドリンクの山の上で、爆死をするばかりである。そうして、この門の上へ持って来て、アッキーのように棄てられてしまうばかりである。選ばないとすれば――CoPの考えは、何度も同じ道を低徊した揚句に、やっとこの局所へ逢着した。しかしこの「すれば」は、いつまでたっても、結局「すれば」であった。CoPは、手段を選ばないという事を肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、その後に来る可き「盗人になるよりほかに仕方がない」と云う事を、積極的に肯定するだけの、勇気が出ずにいたのである。
CoPは、大きな嚔をして、それから、大儀そうに立上った。夕冷えのする京都エリアは、もう茜ちゃんが欲しいほどの寒さである。風は門の柱と柱との間を、夕闇と共に遠慮なく、吹きぬける。丹塗の柱にとまっていた蟋蟀も、もうどこかへ行ってしまった。
CoPは、頸をちぢめながら、橙のプリンツェスマイリーに重ねた、緑のシノビトラディションの肩を高くして門のまわりを見まわした。雨風の患のない、人目にかかる惧のない、一晩楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、夜を明かそうと思ったからである。すると、幸い門の上の楼へ上る、幅の広い、これも丹を塗った梯子が眼についた。上なら、人がいたにしても、どうせ死人ばかりである。CoPはそこで、腰にさげた蒼穹の剣が鞘走らないように気をつけながら、藁草履をはいた足を、その梯子の一番下の段へふみかけた。
6:名無しNIPPER
2015/05/16(土) 21:41:02.76 ID:9uVkpaBD0
それから、何分かの後である。羅生門の楼の上へ出る、幅の広い梯子の中段に、一人の男が、猫のように身をちぢめて、息を殺しながら、上の容子を窺っていた。楼の上からさす火の光が、かすかに、その男の右の頬をぬらしている。短い鬚の中に、赤く膿を持った面皰のある頬である。CoPは、始めから、この上にいる者は、死人ばかりだと高を括っていた。それが、梯子を二三段上って見ると、上では誰か火をとぼして、しかもその火をそこここと動かしているらしい。これは、その濁った、黄いろい光が、隅々に蜘蛛の巣をかけた天井裏に、揺れながら映ったので、すぐにそれと知れたのである。この雨の夜に、この羅生門の上で、火をともしているからは、どうせただの者ではない。
CoPは、守宮のように足音をぬすんで、やっと急な梯子を、一番上の段まで這うようにして上りつめた。そうして体を出来るだけ、平にしながら、頸を出来るだけ、前へ出して、恐る恐る、楼の内を覗いて見た。
見ると、楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかの死骸が、無造作に棄ててあるが、火の光の及ぶ範囲が、思ったより狭いので、数は幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に裸の死骸と、衣装を着た死骸とがあるという事である。勿論、中にはPもデュンヌもまじっているらしい。そうして、その死骸は皆、それが、かつて、生きていた人間だと云う事実さえ疑われるほど、土を捏こねて造った人形のように、口を開あいたり手を延ばしたりして、ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの高くなっている部分に、ぼんやりした火の光をうけて、低くなっている部分の影を一層暗くしながら、永久に唖の如く黙っていた。
13Res/13.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。