7:名無しNIPPER
2015/05/16(土) 21:45:43.13 ID:9uVkpaBD0
CoPは、それらの死骸の腐爛した臭気に思わず、鼻を掩った。しかし、その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を忘れていた。ある強い感情が、ほとんどことごとくこの男の嗅覚を奪ってしまったからだ。
CoPの眼は、その時、はじめてその死骸の中に蹲っている人間を見た。紫の着物を着た、背の低い、痩やせた、白髪頭しらがあたまの、猿のようなCuPである。そのCuPは、右の手に火をともした松の木片を持って、その死骸の一つの顔を覗きこむように眺めていた。
CoPは、六分の恐怖と四分の好奇心とに動かされて、暫時は呼吸をするのさえ忘れていた。旧記の記者の語を借りれば、「頭身の毛も太る」ように感じたのである。するとCuPは、松の木片を、床板の間に挿して、それから、今まで眺めていた死骸の首に両手をかけると、丁度、猿の親が猿の子の虱しらみをとるように、その乏しい髪の毛を一本ずつ抜きはじめた。髪は手に従って抜けるらしい。
8:名無しNIPPER[sage]
2015/05/16(土) 22:02:41.32 ID:QgvMqQiqO
>>4
ちゃんと読んでる…のか?
9:名無しNIPPER
2015/05/16(土) 22:05:55.03 ID:9uVkpaBD0
CoPには、勿論、何故CuPが死人の髪の毛を抜くかわからなかった。従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいか知らなかった。しかし下人にとっては、この雨の夜に、この羅生門の上で、死人の髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に許すべからざる悪であった。勿論、下人は、さっきまで自分が、盗人になる気でいた事なぞは、とうに忘れていたのである。
そこで、CoPは、両足に力を入れて、いきなり、梯子から上へ飛び上った。そうして蒼穹の剣に手をかけながら、大股にCuPの前へ歩みよった。CuPが驚いたのは云うまでもない。
CuPは、一目CoPを見ると、まるで弩にでも弾かれたように、飛び上った。
10:名無しNIPPER
2015/05/16(土) 22:18:35.91 ID:9uVkpaBD0
「何をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」
CoPは、CuPをつき放すと、いきなり、剣の鞘を払って、蒼い鋼の色をその眼の前へつきつけた。けれども、CuPは黙っている。両手をわなわなふるわせて、肩で息を切りながら、眼を、眼球がまぶたの外へ出そうになるほど、見開いて、唖のように執拗ねく黙っている。これを見ると、CoPは始めて明白にこのCuPの生死が、全然、自分の意志に支配されていると云う事を意識した。そうしてこの意識は、今までけわしく燃えていた憎悪の心を、いつの間にか冷ましてしまった。後あとに残ったのは、ただ、ある仕事をして、それが円満に成就した時の、安らかな得意と満足とがあるばかりである。そこで、CoPは、CuPを見下しながら、少し声を柔らげてこう云った。
「己はアイマス検非違使の庁の役人などではない。今し方この門の下を通りかかった旅の者だ。だからお前に縄をかけて、どうしようと云うような事はない。ただ、今時分この門の上で、何をして居たのだか、それを己に話しさえすればいいのだ。」
11:名無しNIPPER
2015/05/16(土) 22:29:37.80 ID:9uVkpaBD0
CoPは、CuPの答が存外、平凡なのに失望した。そうして失望すると同時に、また前の憎悪が、冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へはいって来た。すると、その気色が、先方へも通じたのであろう。CuPは、片手に、まだ死骸の頭から奪った短い抜け毛を持ったなり、蟇のつぶやくような声で、口ごもりながら、こんな事を云った。
「成程な、PaPの髪の毛を抜くと云う事は、何ぼう悪い事かも知れぬ。じゃが、ここにいる死人どもは、皆、そのくらいな事を、されてもいいPばかりだぞよ。現在、わしが今、髪を抜いたPaPなどはな、非MMのSRを、MM特訓だと云うて、アニメ新参へ売りに往いんだわ。フェスにかかって死ななんだら、今でも売りに往んでいた事であろ。それもよ、このPの売るアイドルは、値が安いと云うて、新規どもが、欠かさずフロントに買っていたそうな。わしは、このハゲのした事が悪いとは思うていぬ。せねば、爆死をするのじゃて、仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事も悪い事とは思わぬぞよ。これとてもやはりせねば、爆死をするじゃて、仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その仕方がない事を、よく知っていたこのPは、大方わしのする事も大目に見てくれるであろ。」
CuPは、大体こんな意味の事を云った。
12:名無しNIPPER
2015/05/16(土) 22:34:30.88 ID:9uVkpaBD0
「きっと、そうか。」
CuPの話が完ると、CoPは嘲るような声で念を押した。そうして、一足前へ出ると、不意に右の手を面皰から離して、CuPの襟上をつかみながら、噛みつくようにこう云った。
「では、己が引剥をしようと恨むまいな。己もそうしなければ、爆死をする体なのだ。」
13:名無しNIPPER[sage]
2015/05/17(日) 14:23:19.93 ID:a0XhLZzjO
ほぼ引用じゃ評価出来んよなぁ
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