1:名無しNIPPER
2015/05/17(日) 14:04:11.35 ID:BxsgERTK0
久しぶりの帰省だった。
また今度来れるのはいつかわからなかった。
だから、帰りの電車が来る前に、近くの山の上からの景色を、目に焼き付けておこうと思った。
やさしくはない山道だった。けれども子供の頃はすいすいとのぼっていったものだった。
昔のことを思い出しながら、山の天辺めざしてからだを動かしていると、なまりきっていたせいか、足を踏み外してしまった。
「うわあ────ッ」
そして、そのまま転げ落ちていった。木や石や岩に殴られながら、ごんごん、ごんごんと。
ようやく落ちきったかと思ったころには、体中からじんわりとした痛みのかわりに、暖かさがどこかへ流れていた。
ああ、なんて寒い夜だ。もう清明も近いというのに。
SSWiki : ss.vip2ch.com
15Res/6.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。