過去ログ - 長門「ユッキー……私の事を呼ぶならそう呼んで」
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10:名無しNIPPER[saga]
2015/05/17(日) 23:34:10.99 ID:Flc7T4o40


「……ジョーク」


そう、冗談。


「……そう」


そう。


「……あなた」



心なし上がり調子。もしかして質問のつもりか?
ならもうすこし主語述語をはっきりさせて喋ってくれ。助詞もつけてくれると、なおありがたい。
そういうと長門有希はゆっくり目を閉じて、開いた。彼女なりの逡巡なのだろう。



「……あなたはどこへいくの」

「えっ」



自分から言い出したこととはいえ、まさか本当に喋ってくれるなど思いもよらず、俺はいささか狼狽した。
てっきり、「そう」「別に」「三点リーダー」のコンボで押し切られてしまうと思っていたのに。



「あ、ああ、今から図書館に行くところなんだ」

「……」



またミリ単位で首を傾げられる。



「もしかして、行ったことないのか?」



はなはだしく意外である。
辞書までむしゃむしゃ食べてしまうほどの勢いで熟読していた彼女が、書籍のパライソともいえるあそこを未体験とは。
思わず零した俺の言葉に、長門有希は更に数ミリ首をかしげた。
じいっと、ブラックホールを内包した目で見つめられてはこう言うしかあるまい。



「……一緒に来るか?」

「行く」



思いのほか早いテンポで返事が返って来た。
やはりこいつの興味を惹くのは目下、インクの染みた紙の束だけであるらしい。




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