過去ログ - 提督「なに? L.EATだと?」
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17:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 03:46:00.60 ID:REicXfjs0
金剛「そうデス! プライスレスというのは外部通貨に換算できない特徴を持ってマス。だから、客観的にこの行為にはこれを返さねばならないとは考えることが出来ない種類のものネ。もし、等価を見いだせるなら、それはお金で買えるものになってしまいマース」
提督「金剛が俺に夕餉を手作りしてくれたが、これはプライスレスなのか?」
金剛「はいデス。愛情たっぷりの価値のない料理デス!」
18:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 04:02:30.88 ID:REicXfjs0
金剛「確かに裏で愛情を込めて作られた料理も機械で作られた料理も、間接的に届けられた先では同じかもしれマセン」
提督「結局のところ愛ってものは孤独ではいることができすに、いつも相手に依存して存在するしかない」
金剛「そうですネ。提督が私の行為に愛を見出さなかったようにネ」
19:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 09:32:28.42 ID:REicXfjs0
金剛「うー、提督はどうやら等価交換の経済的原則と愛などのプライスレスな原則とを区別することに納得してくれたんじゃないデスか?」
提督「つまりだな、金剛。その二つの原理の背反性を認めたにしても、そこには優劣関係があるように思われる。そして、優劣を付けるならば、恐らく経済的な原理の方が愛の原理より強いと思う」
金剛「どうしてデスか?」
20:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 10:56:12.63 ID:REicXfjs0
金剛「提督のその愛‐不信の病原が理解できた気がシマース。提督は人間にとって最も重要なものは不当な損失を抑えることと考えているのデス」
提督「損失を抑えたいというのは人間の当然の要求だ。損失を回避するためなら、非合理的な行為もするものだ」
金剛「それがプロスペクトに関する人間の傾向かもしれません。しかし、これで提督に私の愛を分からせることができると思いマース」
21:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 11:08:48.94 ID:REicXfjs0
提督「意味がいよいよ分からない。………ゲームってあれか画面に向かってピコピコする奴か?」
金剛「それもゲームデスが、もっと広いデス。徒競走などもゲームデス」
提督「徒競走ってゲームなのか?」
22:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 11:21:39.51 ID:REicXfjs0
提督「どういうことだ?」
金剛「私は提督に愛への不信を治してもらおうと考えてマス。ならば、その不信の態度の根底にある考えを転覆させればいいだけデス」
提督「転覆させるって………人間が根本的に満足状態にあり、欠乏のために他人と戦争するという性善説でも金剛は唱える気か?」
23:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 13:11:23.19 ID:REicXfjs0
提督「では、まずゲームとは何だ?」
金剛「ゲームには何かしらの目的がありマス。徒競走ならゴールテープを切ることであり、RPGならば魔王を倒すことなどデス」
提督「そうだな。目的がなければゲームとは言えない」
24:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 13:35:28.69 ID:REicXfjs0
金剛「だから、ゲームはその目的達成の手段に重きが置かれるマス。徒競走だとトラックを横切って最短距離を走ることを禁止してテープを切ることに意味があるデス。ゲームとは不必要な障害を自ら望んで克服しようとするものデス」
提督「しかし、チェスなどのゲームではゲームから分離可能な目的なんてないんじゃないか? 駒の制限された動きに基づいてチェックメイトは初めて可能になるんだから」
金剛「確かにチェスの駒の動きはルールに制限されてマス。しかし、チェックメイトはゲームプレイとは関係なく達成できマス。徒競走で目的がフィニッシュラインを超えていることと記述できるように、チェックメイトも一定の駒の配列状態と記述することができマス」
25:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 13:57:53.25 ID:REicXfjs0
金剛「チェスにおいてふざける人が指す手は全てルールに則っていマス。しかし、彼が指す合法的な手はチェックメイトを目的としたものではないデス。例えば、ポーンをひたすら前進させることだったりと別の目的、別のゲームをプレイしている人ネ」
提督「そういう奴は確かにチェスのルールには従っているが、チェスをしているとはいえないな」
金剛「イカサマ師はふざける人とは反対デス。ふざける人はチェックメイトへの情熱がありませんデシたが、イカサマ師はチェックメイトへの情熱が強すぎて、ルールを破る人デス」
26:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 14:12:23.64 ID:REicXfjs0
提督「ふざける人はルールだけを守って前提目標を共有せず、イカサマ師は前提目標を共有してルールを破る。そして、荒らし屋はルールも目標も破るということか」
金剛「これでゲームの目的はゲームから分離して達成しうるものであるとわかってくれました?」
提督「君のゲームの定義に関してはもう何も言わない。しかし、いいかげんに教えてくれ。なぜ君の愛とゲームは関係するんだ? 君の愛はゲームってことなのか?」
27:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 14:49:45.64 ID:REicXfjs0
提督「しかし、金剛やはり俺にはわからない。君は一体何を意図して世界を『ゲーム』だと言っているんだ?」
金剛「人間は欠乏に基づくので、どこまでも真剣に争い続けるであろうという提督の性悪説にカウンターするためデス」
提督「それがゲームだと?」
28:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 15:00:16.88 ID:REicXfjs0
提督「金剛、君は今日ちょっと様子がおかしい。疲れているなら休め」
金剛「確かに提督には理解が非常に困難かもしれマセン。これは私達艦娘だからこそ見えた世界の側面なのデスから」
提督「説明しろ」
29:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 15:16:38.05 ID:REicXfjs0
提督「ユートピア?」
金剛「そうデス。何か別の目的達成のためにイヤイヤする仕事なんて何もなく、ただそれ自体が目的となるような行為をしていれば良かった世界デス」
提督「それはそれは」
30:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 15:35:32.65 ID:REicXfjs0
金剛「ユートピアにおいて、人間には労働もなく統治もなく、芸術や道徳や科学も愛も友情もありマセン」
提督「愛もそこにはないのか?」
金剛「ハイ。愛も評価を含むものデス」
31:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 21:04:04.93 ID:REicXfjs0
金剛「確かに一般に道具的な仕事とされるものも、捉え方によってはそれ自身に意味を有するものとなりマス」
提督「ならば、その世界にはやはり様々な職業が戻ってこれるのではないか?」
金剛「ユートピアは何か特定の活動を追放するところではありマセン。あくまで、何か間接的な目的を持つワークがないだけデス。今の私達とユートピア人との間には、同じ活動はありえマスが、その捉え方が大きく異なりマス」
32:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 21:26:50.77 ID:REicXfjs0
金剛「そして、まさにそのワークこそゲームになりマース」
提督「どういうことだ?」
金剛「その世界では大工が家を建てなくても、ボタン一つで理想の家が手に入りますし、科学者が研究しなくても、真理は既に手に入ってイマス。ならば、彼らhその過程そのものに意味を見出すしかありマセン。ゲームにとって前提目的の達成が第一のものでないのと同様デス」
33:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 21:50:23.97 ID:REicXfjs0
金剛「そうデス。きっと全てが取り戻されることになりマス。大事なことはこのユートピア世界観は提督の世界観とは反対になることデス」
提督「反対か」
金剛「提督は人類史が欠乏状態から完全な飽和状態へと移行する軌跡だと考えていますが、私は人類史の始源は無限の退屈、終わりなき夏の気怠い黄昏の光に照らされてあるように思いマス」
34:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 22:14:01.70 ID:REicXfjs0
金剛「つまり事情はこうだったのかもしれマセン。ユートピア人達は時が経つにつれて「もし自分の人生がゲームに過ぎないのならば、その人生を生きるに値しない」と考え出したのデス。そして、機械が作った家よりも人間の手で作られたものの方が価値があるとか既に答えが出ている問題でも再度人の手で解決され直さなければならないなどと考えたのデス」
金剛「そして、それを他の人々にも説得しだして、世界は人類の敵だとするまでに至り、世界のそのシステムの使用を禁止する法律まで作られたのデス」
提督「そうなると、大工や科学などは人間の生存に不可欠な要素として見られることになって、その活動はゲームではなく真剣な企てになるのか」
35:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 22:19:32.32 ID:REicXfjs0
憲兵「………ここで途切れている。続きはないのか?」
浜風「それ以上は野暮なことですから」
憲兵「………結局これはなんだったんだ?」
36:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 22:30:51.78 ID:REicXfjs0
憲兵「奇妙な事件だ。外傷なんてどこにもない。ただ話しているだけだ」
浜風「そうですね。外面的にはただ艦娘が提督を口説いているだけですもの」
憲兵「なんとも大仰な口説き文句もあったものだ。創世史的口説き文句、宇宙論的な言語愛撫。なんにせよ聞いたことがない」
37:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 22:53:43.66 ID:REicXfjs0
憲兵「艦娘とはみんなこうなのか? 相手を手に入れるためだけに、相手の世界を食い散らかしていこうとするのか?」
浜風「どうでしょうか? 深海棲艦と艦娘が世界に与えた影響を比較すると、艦娘の方が大きいという報告もあるぐらいですし、人間は艦娘を良くも悪くも無視できないってことではないですか」
憲兵「………彼らはこの後に幸福になれたと思うか?」
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