20: ◆agif0ROmyg[saga]
2015/05/20(水) 15:56:45.66 ID:ee6XzjKY0
一頻り遊んで、もうそろそろ出演の時間。
三人で、ステージの方へ向かう。
もちろん俺はその手前までしか行かないのだが、こうして送るのも大事な仕事だ。
歩いている途中、一ノ瀬志希とその担当プロデューサーに出会った。
彼女らはもう仕事を終えたのだろう、あたりを気にするプロデューサーのこともお構いなしに、一ノ瀬は彼にしなだれかかり、キスなどねだっている。
と、向こうもこちらに気付いた。
プロデューサーは気まずそうにしていたが、しかし一ノ瀬は頼子と目配せしあい、にんまりと満足げに笑っている。
頼子の姦計に一ノ瀬も一枚噛んでいたということらしいが、もはや俺にとって担当アイドル以外のことはさほど重要でもない。
それが、奴にとっても好都合なのだろう。
簡単に会釈だけして、舞台へ二人を送り届けた。
「それでは、行ってきます」
「終わったらまた、時間取ってください。
私と文香さん、上手に歌えた方が先にしてもらえるということに決めたので、じっくり見ててくださいね」
もはや頼子は俺の意向など聞きもしない。
つまり、それだけ俺たちが頼子のものになれたということだろう。
なぜ頼子が他人と組んでまでこんなややこしいことをしたのかも未だによく分からないが、それももうどうでもいい。
多分、目的というほどのものも無かったのだろう。
単に俺と文香を弄んで占有したかっただけなのだろう。
ただ静かに、俺は二人を見送った。
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