4: ◆agif0ROmyg[saga]
2015/05/20(水) 15:40:18.41 ID:ee6XzjKY0
志希「ほっほー。文香ちゃんもそういうところあるんだね」
文香「そういうところ、とは……?」
志希「いやいや、何だか純情じゃない。躊躇っちゃう気持ちはわからなくもないけど」
志希「でもやっぱり、こういう時はガツンといくのがいいよ」
志希「あなたはあたしのものなんだから、許可無く他所の女の人とおしゃべりしないで!ってね」
文香「しかし、そんなことを言って受け入れてもらえるのでしょうか」
志希「文香ちゃんって美人の割には自信ないよねえ。まあそれも文香ちゃんのいいところなんだろうけど」
志希「でも、端から見てる分には、悪くない感触だと思うよ。文香ちゃんのプロデューサーさんは真面目そうだけど、仕事の鬼って感じではないし」
志希「文香ちゃんのことも、結構気に入ってると思うよ。そういう匂いがするからね」
文香「匂い、ですか」
志希「そ。あたし、人の感情とか状態とか、匂いで何となく分かるんだ。信じられないかな?」
文香「……そういう能力が出てくるSF小説を、読んだことがあります」
文香「能力の持ち主は、人間ではありませんでしたが」
志希「にゃはははっ。そうかそうか。まあいいや」
志希「で、どう? やっぱり自信持てない?」
文香「もしかして、まだ何かあるのでしょうか」
志希「ふっふっふ。さすが、鋭いね」
志希「ジャン♪ ほら、これ。一ノ瀬志希謹製の香水。これをあげるよ」
志希「海では世話になったからね。ちょっとした恩返しと思ってよ」
文香「……これは?」
志希「ただの香水じゃあないよ。これはね、男も女も素直にしちゃうフレグランス」
志希「これつけて二人きりになれば、きっと文香ちゃんの魅力、分かってもらえると思うから」
文香「するとこれは……ただの香水ではありませんね」
文香「志希さんがいろいろ、変わった薬を作っているという噂は聴いていましたが。もしやこれもその類ですか」
志希「まあね。抵抗ある?」
文香「はい。そういう……ごめんなさい、志希さんを非難するつもりはないんですが……その、異常なものに頼るのは」
志希「異常と来たかあ。でも文香ちゃん。逆に聞くけど、異常で何がいけないの?」
文香「?」
志希「文香ちゃんはおとなしいから、戸惑うのも仕方ないけど」
志希「ちょっと考えてみてよ」
志希「もし文香ちゃんが本当に、ただの普通の人間だったら、いくら機会があったからってアイドルなんてやってないだろうし」
志希「ましてやそれで結構な人気者になったり、しないんじゃないかな」
文香「それは……」
志希「自覚してないだけで、文香ちゃんもあたしたちみたいな、異常な世界の人間なんだよ」
志希「でなきゃ、今でも本屋の店番だけしてたんじゃないかな」
文香「そう……でしょうか」
志希「まあ、自分がどうあるかを決めるのは結局自分だからね」
志希「文香ちゃんが自分をどう捉えるかは自由だよ」
志希「とりあえずこの香水はあげるから、まあ使いたければ使っちゃって」
志希「効果の程は保証するし、副作用もないから」
志希「これを使えばきっと幸せになれるから。それだけは信じてくれていいからね」
文香「ええと……ありがとう、ございます?」
志希「はは。その言葉は、全部上手く行ったあとに取っといてよ」
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