過去ログ - 安部菜々、魔法少女になる。〜PROJECT G4〜
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21: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/05/26(火) 22:29:21.96 ID:6BW4cku00
 巨大な炎の塊を出せたことに、菜々は驚きを隠せない。
 魔法少女化の影響だろうか、その炎の噴出による反動はまるで感じなかった。

「ウサミングハート。ナナって他に何か出来るんですか?」

 さっき、千佳が色んなものが出せる言ったのを思い出した。菜々は、戦闘を続行しながらも、ウサミングハートに問いかける。

『色々なことができるよっ! 炎の他に、水も出せるし、雷も出せるし、風も土も操れる。でもこれって、魔法少女の標準能力みたいなものなんだ。車で言ったらエアコン』

「例えが限りなく微妙ですけど、妙にわかりやすいですね」

『ナナちゃんオリジナルの魔法もあるよ。これは、魔法少女になるときの願いから生み出される魔法。だから、一人ひとり違うのっ』

 なるほど、と思いながら、菜々は迫りくる使い魔を焼き払うので精一杯だ。焼けども焼けども向かってくるので、一向に前に進めない。
 それは千佳も同様だった。
 このままでは、いずれ対処しきれなくなるのは目に見えていた。

「ど、どうやったらそれが使えるんですか?」

『簡単だよ。合言葉を言えばいい』

「あ、合言葉?」

『ボクの言葉に続けて』

「あ、分かりました。えっと、君臨者よ、血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ、真理と節制、罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ……ん?」

『破動の三十三、蒼火墜っ!!』

「遊 ん で る 場 合 か ! ! !」

 ウサミングハートで思いっきり敵を殴った。
 もちろん、そんな破動は出るわけがない。それっぽいものなら、魔法少女である菜々なら出せるのだが。

『ウソウソ。本当は、「キュートでラブリーなウサミンに心キュンキュン」だよ』

「ほ、他になにかなかったんですか……」

『早くしないと! ピンチになってからだと遅いよ!』

「ぐっ……止むを得ません……き……『キュートでラブリーなウサミンに心キュンキュン 』ッ!」

『うわぁ、ホントに言ったよ……自分で自分をキュートでラブリーって……』


「ぶ っ 壊 し ま す よ っ ! ! ?」


 菜々は怒りに任せてウサミングハートを思いっきり曲げた。
 本来なら金属らしき材質だったウサミングハートは、力を加えられたことによってV字に曲がってしかるべきなのに、なぜかこんな時だけ柔軟で、今現在はUの字になってしまっている。
 さっきまでは、普通の金属のような棒だったくせに、どういう理屈なのだろうか。魔法少女の武器だからこそなのだろうか。



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