過去ログ - 艦隊これくしょん 〜艦これ〜  Bright:金剛
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229: ◆li7/Wegg1c[sage saga]
2015/11/04(水) 23:58:53.51 ID:vZ5Y1QKc0

第五話 なめるなクマー!




9月中旬。病室の外は寒風が吹き始めたものの暑さは和らぎ、過ごしやすい気温になっていた。

金剛と比叡は窓の日差しを浴びながら読書に興じ、病室で静かに過ごしていた。

と言っても怪我は既に高速修復剤で完治している。
今回の入院はこれまでの戦闘で身体に異常は存在しないかどうかの確認のための長期検査入院である(深海棲艦が出現すれば即時出動する取り決めになっていたが)。

その時、病室の扉を叩く音が聞こえた。

「比叡さん、金剛さん。失礼します」

林檎と花とサイダーの入った籠を右手に握り締めた背の高い女性が入室してきた。大和だった。

「お身体の具合はいかがですか」

「あっ、大和さん! お久しぶりです!」

久々の友人が現れ、比叡の顔がぱぁっと明るくなった。大和に続き、ウェーブがかった長髪の美女も病室に入ってきた。

「何よ、元気そうじゃない」

「大和さん、足柄さん! ありがとうございます!」

「足柄は優しいFriendですネ…」

比叡は嬉しそうに笑い、大和もまた微笑みで返した。その一方で、足柄は顔を真っ赤にして喚き始めた。

「ちっ、違うわよ! アンタじゃなくて比叡ちゃんを見舞いに来たのよ! かっ、勘違いしないでよねっ! だっ、だっ、誰がアンタなんか心配するもんですかっ!」

「ふふ...Thank you, Starved Wolf」

動揺する足柄を見て、金剛はにっこりと笑った。勇猛な狼と評される足柄だが、今の彼女にその面影はなかった。

「だ、だまらっしゃい! たまたま遠征任務でこっちに寄っただけよ! わ、私はアンタなんか、これっぽっちも心配してないんだから!」

「えっ? 確か、長門秘書官に休暇を申請なされたも、ヘリを出す大和に頼まれたのも足柄さんでは…?」

「うがーっ! ちがうったらー!!」

足柄は大声で吠えまわったが、その意図は大和にもバレていた。

その後騒ぎを聞きつけてやって来た看護師から窘められてしまい、彼女は顔を赤くしたまま林檎の皮を剥き始めたのだった。



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