過去ログ - 艦隊これくしょん 〜艦これ〜  Bright:金剛
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247: ◆li7/Wegg1c[saga]
2015/11/05(木) 00:46:37.70 ID:uemN18r20

チッ。

大井は舌打ちをした。だが、すぐにやらかしたと気づき、顔をあげて作り笑いを見せた。

「あっ、はい、すみませんでしたー」

明らかに反省していない声色だった。その態度にとうとう球磨の堪忍袋の緒が切れた。

「いい加減にしろクマ…!」

球磨は小さな身体にも関わらず、大井の襟を掴み、自分より大きいはずの妹を持ち上げた。

その顔はいつもの愛らしい姿とは正反対の怒れる熊そのものだった。慌てて多摩が手を離すよう肩に手をやるが球磨は聞く耳を持たなかった。

「くっ、球磨姉落ち着くにゃ…!」

「なっ、なによ…!?」

「なめるなクマ! お姉ちゃんは大井をそんな子に育てた覚えはねぇクマ…!」

「何よ、年上だからって偉そうに!」

「聞き分けがないなら身体で分からせてやるクマ…!」

「だいたい育てられた覚えもないわよ、このチビ熊!」

その言葉が導火線に火を点けた。球磨は怒りのまま大井の頬を張り倒してしまった。

「くっ…」

吹き飛ばされた大井はきっと球磨を睨みつけた後、黙って飛び出してしまった。

部屋の中に暗い沈黙が流れた。

球磨は崩れ落ちるかのように膝と手をつき、四つん這いになって項垂れた。

「球磨姉…。正論だけどやりすぎだニャ…」

やがて多摩が静かに呟いた。球磨は、何も言わなかった。

大井は無我夢中で走り、階段を勢いよく駆け下りた。速すぎたせいか、哨戒任務から帰投した睦月と如月とすれ違ったことにも気づかなかった。

「およ? 今のって…」

「大井さん、よね…?」

二人は顔を見合わせた。



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