308:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/12(月) 23:24:20.64 ID:SNPjlWVU0
提督「それから俺は新たに弥生を呼んだ。卯月の、皆の為を……」
何かを言いかけたところで、なんでもないと提督は首をゆっくりと振った。
提督「……初めは笑ってくれた。戻ってきたのだと。また仲良くできるのだと。……だが、それもすぐに無くなった。その代わりに出てきたのがあの憎しみだ」
「それからあいつは哨戒、遠征、護衛……戦闘に関するものならなんでも積極的に参加するようになった。そして敵を発見しようものなら先陣を切って突っ込んだ。一人でも多くの敵を殺すために」
敵に、仲間と家族を殺したものに深い憎しみを持つ。
よくある話だ。嫌と言うほど身に覚えがあるまでに。
でもどうして僕と違って、『弥生ちゃん』が殺された直後にそれは発露しなかったんだろうか。
「なぜ、そうなってしまったのでしょうか」
提督「……心境の変化の理由はわからん。ただあいつは『弥生を取られた。だから取ったやつを殺す」と言っていたよ。……弥生はそこにいる何度もと言った。だがその度にあいつは弥生ではないと言うだけだ」
「だから、卯月殿は弥生殿を『弥生殿』と思っていないと」
提督「ああ。そうだ」
最も仲良くしていた友を急に失ったが、戻ってきた。だけど戻ってきた友は別人のようだった。
ある意味、それは同じ大切な人を二度も失ったようなものだ。過ぎる殺意を持つには十分すぎるほどだと思う。
でも、どうして卯月ちゃんは頑ななまでに弥生ちゃんを『弥生ちゃん』と認めないんだろうか。
如月ちゃんが行っていた通り、今までの記憶がないからなのかもしれない。
だけど、それだけで提督の聞くとおりの頑なさを持つだろうか。……何か、もっと他の理由があるのかもしれない。
機会があれば聞いておいたほうが良いだろうか。
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