429:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:34:55.24 ID:ftiT5yXu0
「友達、とは?」
卯月「……や、よちゃん……」
「弥生殿はいらっしゃるじゃないですか」
卯月「ち……がう。あいつは、あいつはやよちゃんじゃない!」
絞り出すような声で卯月ちゃんは答える。やはりどうしても今の弥生ちゃんを『弥生』ちゃんと認められないみたいだ。
でも、それではいけない。彼女には提督が作り出し、僕が磨き上げる嘘を信じて貰わなければならない。
それは酷く歪んだことだと思う。だけど、もう口から出した嘘は戻せない。後戻りはできない。
彼女には信じてもらうしかない。仲間たちの為にも、弥生ちゃんの為にも、そして、卯月ちゃんの為にも。
付けいる隙はある。卯月ちゃんは今、酷く苦しげな顔をしている。それは恐らく、酷い事を言っているという意識があるからだ。
それはつまり認めていないではなく、認めたいのに認められないと思っている。そしてそれを苦しく、申し訳なく思っているという事だ。
本当に別物だと思っているなら、こんな苦しい顔なんかしない。
彼女を揺らすその良心に、付けこむ。
文月「う、うーちゃん!」
卯月ちゃんを止めようとする文月ちゃんに掌を向け、任せてくれと目で伝える。
それが彼女に伝わった様で、すこし迷うそぶりを見せたが、小さく首を縦に振ってくれた。
さて、これからだ。
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