過去ログ - [艦これ]番頭さん
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443:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/26(土) 23:53:06.00 ID:+9Q5K7Kj0


五十鈴「……少し、様子がおかしいわね」


那智と同じく状況を見ていた五十鈴が、戦場に目を凝らしながら不意に呟いた。

彼女の言葉に那智は頷く。彼女らが思う通り、目の前の敵はいつも彼女達が相対する物とは様子が違っていた。

深海棲艦は基本的に知性が低い。故に攻撃も単調で対象に突撃し、砲撃、或いは咀嚼するのみだ。そこに陣形と言う概念は無い。

だが目の前の敵は明らかに包囲網という陣形を作っていた。艦娘の攻撃によって開けられたとしても、その穴をすぐに塞ぎ形を保っている。

通常の襲撃ではこのような状況はあり得ない。つまり通常ではない例外を起こす者がいると言う事だ。


那智「棲姫が指揮している可能性が高いな」


ええ、と五十鈴は頷いた。棲姫という言葉に部隊に緊張が走る。

深海棲姫――深海棲艦に属し、彼らの上位に立つ存在。一見身目麗しい女性の姿だが、その姿に似合わず高い戦闘力を有している。

一体いれば苦戦は必至、二体いれば犠牲を払い、三体いれば絶望を見る。それほどまでに厄介な存在である。

厄介と呼ばれる理由はその高い戦闘力だけではない。同時に高い知性を併せ持っている為でもある。

彼女らはその高い知性を活かし、下位の存在たちを操り、使役する。特に知性が高いものは操るだけではなく、陣を成して牙を剥く。

能力に個体差もあるが、陣を成す程知性が高いものは稀な棲姫達のなかでも更に稀だ。

しかし、目の前の戦場は稀の存在を示している。確信とも言える嫌な予感が那智の体を貫いた。

苦戦は必須。だが彼女達はここでただ手を拱いて見ている訳にはいかなかった。



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