過去ログ - 冴えない彼女の育てかた『慣れないエンドの創りかた』
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6: ◆07a3z.KLl.[sage]
2015/06/05(金) 14:45:04.96 ID:8dlLDYTwO
(やがて、落ち着きを取り戻した誠司のもとに、一迅の風が吹く。ふわりと手のひらから離れていく桜の花びら。名残り惜しそうに、どこか寂しそうに、ゆらゆら揺れながら、やがて見えなくなって……)

誠司「………今まで居た誰か、か……」

誠司「……分からない。ありえない。これはきっと、とてつもなくおかしい事なんだろうけど。二次元に染まり過ぎなんだろうけど」
以下略



7: ◆07a3z.KLl.[sage]
2015/06/05(金) 14:45:33.94 ID:8dlLDYTwO
(いつの間にか、静かになっていたきらりと歌穂。二人共、ただ真っ直ぐに、真剣に、誠司の事を見つめていた。おそらくは、同じ理由で、同じ感情でもって、溢れそうになる涙をこらえながら……)

誠司「ありがとう」

誠司「……この先、君の事を思い出せなかったとしても」
以下略



8: ◆07a3z.KLl.[sage]
2015/06/05(金) 14:45:59.11 ID:8dlLDYTwO
倫也「……って、感じで書いてみたんだけど、どうかな?」

英梨々「…………っ」

加藤「…………」
以下略



9: ◆07a3z.KLl.[sage]
2015/06/05(金) 14:46:27.52 ID:8dlLDYTwO
倫也「それで、試しにcherry blessingのキャラクターから色々借りて、書いてみたんだけど……」

詩葉「……何というか、ちょっとだけ、もしかしたら結構、私の作風の影響を受けてるような感じがするわね。あくまでビター部分だけの話で、濃厚さは二段階くらい薄めだけれど」

倫也「そりゃまぁ、切なさや喪失感を書かせたら右にも上にも出るものはそうそういない、悲恋のドS伝道師、霞詩子の一番の信者にして、弟子でもあるしね」
以下略



10: ◆07a3z.KLl.[sage]
2015/06/05(金) 14:46:56.76 ID:8dlLDYTwO
詩葉「そうね。定義として確たるものはないんだけれど、やはりある程度の希望が持てる解釈が出来る場合には、はっきりとバッドエンドの名を冠する事は難しいと思うわ」

倫也「……でも俺、それでもこの話書くのに相当気力を浪費したっていうか、魂が削られる感覚を覚えたっていうか……」

詩葉「それは……慣れてないからって理由もあるでしょうね。でもね、倫理君。プロの作家でも、登場人物が凄惨な目に合う話を書いてる時、いつでも冷静でいられてるなんて事はないのよ? 歯を食いしばりながら、震えながら書き上げる時だってあるんだから」
以下略



11: ◆07a3z.KLl.[sage]
2015/06/05(金) 14:47:25.34 ID:8dlLDYTwO
詩葉「……とにかく、作者の性格や作品のジャンルにもよるし、こればっかりは経験を積み重ねて調整していくしかないのかもね」

倫也「う〜ん、そっかぁ」

詩葉「まぁ、一つだけ確実に言える事は……」
以下略



12: ◆07a3z.KLl.[sage]
2015/06/05(金) 14:47:56.65 ID:8dlLDYTwO
英梨々「始めは何事かと思ったけどね。これまでのあんたから考えたら、完全に不意を突かれた気分。でもま、染まっていってるんじゃなくて、幅が広がっていってるっていうんなら、さして文句は……ないとは言わないけど、目をつぶっておくわよ」

詩葉「あら、それって暗に、今までの倫理君のスタンスに対しては好意的だって告白してるようにとれるわね?」

英梨々「そんな事言ってない。ただ、まだシナリオを一本書いただけで、それ以外はいつもギリギリまで何もしない三流の準置物プロデューサーから、少しはシナリオを書けなくもない二流の物書き兼プロデューサーにレベルアップできるっていうんなら、いずれはどこぞの腹黒作家の出番が無くなる可能性もあるって事になるでしょ?」
以下略



13: ◆07a3z.KLl.[sage]
2015/06/05(金) 14:48:27.67 ID:8dlLDYTwO
詩葉「……ふふ……全く、いつになったら私を出し抜いてくれるのかしらね、周回遅れの負け犬お嬢様は……ふふふ……」

英梨々「ぐっ………ぬぐ……! か、かか、霞ヶ丘詩葉っ……!」

倫也「………ところで加藤、お前はどう感じた? 俺のシナリオ読んで」
以下略



14: ◆07a3z.KLl.[sage]
2015/06/05(金) 14:48:55.76 ID:8dlLDYTwO
加藤「そもそも、わたし自身、バッドエンドやビターエンドがなんたるかってのを想像できるくらいの経験値がないんだけどね」

倫也「そういやお前、生まれて初めて読んだライトノベルが恋するメトロノームなんだっけか。まぁ、あの話の結末には色んな解釈があって、確固としたエンドの定義がある訳じゃないんだが、それでも初心者が読むにしては切なさと喪失感のレベルはかなりのもんだぞ?」

加藤「その初心者にいきなり全巻勧めてきたのは安芸くんだよね?」
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15: ◆07a3z.KLl.[sage]
2015/06/05(金) 14:49:23.11 ID:8dlLDYTwO
倫也「ああ。なんていうか、考えさせられるんだよな。一度読んだ時には見えていなかったものが、何度も読み返すうちに少しずつ見えてきたり、その発見から、今までとは違う視点や感想が持てるようになったり」

加藤「そうだね。多分、その辺りは先輩の技術あってこそ、魅力的に成り立つものかもしれないけど。……そうやって、何度も頭の中で反復して繰り返し考えるうちに、ス…っと胸の奥に入り込むように、少しずつ色んな事に納得できるようになって。こんなに切ない話のはずなのに、前向きになれるっていうか、前向きに泣けるっていうか」

倫也「そういう、シナリオを何度も振り返って読み込ませる力ってのは、今の俺にはほとんどないだろうな」
以下略



16: ◆07a3z.KLl.[sage]
2015/06/05(金) 14:49:54.32 ID:8dlLDYTwO
加藤「それまでのキャラクターや物語の軌跡を何度も辿って、何度も読み返しながら、その世界に深く没頭していくって感じじゃなくて……」

倫也「…………」

加藤「こう、あるきっかけから、熱くて、明るくて、楽しくて、優柔不断で、鈍感クズで、ヘタレてて、節操のないご都合主義な展開が入り込んできて……」
以下略



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