119: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:34:25.98 ID:FQaAjeMeO
「煩いな。もう私を抱いたっていう事実は覆らないでしょ。一線越えたんだからさ、開き直って楽しもうよ」
リンが覆い被さるようにもたれ掛かってきて、腰をくねらせながら僕の右の耳許で囁く。
その動きに、下半身が溶けてしまいそうになる。
120: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:35:02.41 ID:FQaAjeMeO
こちらから彼女の表情を窺い知ることはできない。
しかし、その言葉の合間々々には、発情した甘い吐息の音が混じっていて――
頭の中で、理性が、何かを必死につなぎ止めていた糸が、勢いよく切れる音がした。
121: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:41:43.73 ID:FQaAjeMeO
――
僕は枕に顔を埋めていた。
122: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:42:38.39 ID:FQaAjeMeO
折れてしまいそうなほど華奢な身体をがっちりと組み敷き、腰を激しく叩き付ける……
その貪るような行為は、もはや『抱いた』ではなく“犯した”に等しい。
すんでのところで理性を持ち直して、内部で果てることだけは避けたが……
123: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:44:03.01 ID:FQaAjeMeO
遠い目をする僕の横で、仰向けのまま荒い息をしているリンが、顔だけこちらに向けて云う。
「ピル飲んでるから、別にナカへ出してもよかったのに」
そういう問題ではない。
124: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:44:47.34 ID:FQaAjeMeO
曰く、初めて声を掛けたときの直感が、案の定当たっていたと。
先日はおろか、今日も先程まで僕が手を出さなかったから、第六感が外れたかと思ったそうだ。
でも、僕に今抱かれて、それが間違ってなかったと、僕が蔭の側の人間だと確信に変わった。
125: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:45:15.18 ID:FQaAjeMeO
「私も普段は円光で抱かれたって何も感じないんだけどさ、今日は気持ちよかったよ」
リンが、自らの腹部に放たれた残滓を拭いながら、男としては嬉しい言葉を発してくる。
ただし、凡そそう思ってるとは感じられない無愛想な顔だ。
126: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:46:53.93 ID:FQaAjeMeO
あんな風に犯されて、この子は何とも思わないのだろうか?
「別に。まあ、どこか自分がスレてるっていうのは判ってるよ」
そうは云っても擦れ過ぎではないのか。
127: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:47:29.89 ID:FQaAjeMeO
つまらない、という言葉。
僕には、これが彼女の悲痛な叫びのように思えて仕方ない。
何かを渇望するような――どこか違う世界へ飛び立ちたいと願っているような。
128: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:48:14.06 ID:FQaAjeMeO
彼女も、何を云うでもなくこちらへの視線を外さない。
愛想はないのに、何故か、可愛い。
顔だけに留まらず、身体全体が美しい造形をしているし……
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